LINEスタンプやSNSのイラストを中心にキャラクター「うんたねこ」の人気が広がっている。手のひらサイズのキュートな“まん丸フォルム”と、無邪気で天真らんまんな性格が魅力で、幅広い層に認知を広げている。そんな「うんたねこ」を生み出した漫画家・イラストレーターのびくたろ氏が、ヒットまでの経緯と背景をメディアで初めて語った。

 びくたろ氏は小学5年生で絵を描き始め、高校3年生から本格的にイラストの道を志したものの、当初は苦戦が続いた。賞レースの壁は厚く、ようやく担当編集者が付いた後も“ボツざんまい”の日々。「それまで調子に乗ってきたのが『あれ、才能がないぞ』って。でも執着心が強かったので、『絵じゃないと自分は勝負できない』と思ってしがみついていました」と当時を振り返る。

 転機となったのが、うんたねこのLINEスタンプのヒットだ。

「それまでは仲の良い人が買ってくれているのかな、という売れ行きだった(笑い)」というが、使いやすさを意識して制作した第5弾がブレーク。以降、スタンプ制作に注力するようになった。

「一番上に『OK!』など使いやすいものを配置する」「文字で会話しなくても済むようなデザインにする」「スタンプだけで会話が成立する設計にする」といった工夫を重ね、戦略的にファン獲得を進めていった。

 さらに昨年1月には、うんたねこの日常を描いたイラストがXで話題に。1日5枚前後のイラストをストーリー仕立てで時間を分けて投稿するなど、SNS運用にも本格的に取り組み、現在の人気につなげた。

 キャラクターづくりにもこだわりがある。うんたねこといえば日常のちょっとした出来事や、つい笑ってしまうようなドジ、時にはパチンコで負けるなどのふびんなシーンまで、親しみやすいキャラクター描写が共感を呼んでいるが、びくたろ氏自身は「パチンコには全然行きません(笑い)」と明かす。「読者の方にいろんなうんたねこを投影してほしい。『あれ、このシーン私じゃない?』と思ってもらえたら」と、“共感”を軸にしたキャラクター設計を意識しているという。

 そんなうんたねこの7周年を記念した初のPOP UPイベントが5月1日から10日に大阪・なんばマルイで開催される。会場は“うんたねこカラー”の黄色を基調にした空間となっており、びくたろ氏も納得の仕上がりだ。

 びくたろ氏は「思い出に残るPOP UPになっています!(目標は)世界進出です。誰もが名前くらいは知っている大きなコンテンツにしていきたい」と今後の展開に目を輝かせた。

☆びくたろ 岡山県出身。会社員、漫画アシスタントを兼業しつつ、2019年から「うんたねこ」の活動を開始。24年から大阪府に移住し、現在はフリーランスとして活躍中。