プロ麻雀リーグ「Mリーグ」2022―23シーズンの開幕が、いよいよ来週3日に迫った。熱戦を楽しむためにチェックしておくべきはやはり新加入選手。今週は、KADOKAWAサクラナイツに加入した渋川難波を紹介しつつ、今季の個人タイトル争いを占います。


 昨シーズン、リーグ加入3季目にして初優勝を飾ったサクラナイツ。その原動力となった大ベテラン沢崎誠はシーズン中に発症した病気によりファイナルシリーズを欠場し、チームとの契約も満了となった。

 Mリーグは各チーム4人で戦う。沢崎の代わりに、サクラナイツが誰を指名するのか…。注目のドラフトで名前が呼ばれたのは渋川難波。2020年からMリーグの公式解説を務めているので、視聴者からすると顔や声は知っているが、いったい、どんな麻雀を打つ選手なのか。本紙のアンケートに、渋川はこんな回答を寄せてくれた。

「僕のスタイルは、ひと言で言うと『打点を作って押してトップをもぎとる』ことです」
 こう聞くと攻撃タイプかと思いきや、そういうわけではなく、「降りる時はキッパリと降りるので、そのメリハリを見てほしい」とも。

「強みは、いろいろなことをやれるのと、アガリ逃しはあまりしないけど放銃もあまりしないところです」

 まさに勝つための最短距離。ドラフト指名後にチームの森井巧監督も話していたが、“チームにポイントを持って帰ってきてくれる選手”として期待されているのだろう。もちろん、それだけの実力を兼ね備えており、所属団体の最高峰タイトル「雀王」の保持者でもある。また、SNSなどの発信力や麻雀の面白さを伝えられる選手なので、自分の麻雀の見どころについてこんなアピールも。

「これ押せるの!?という時もあれば、それ止まるの!?という時があるのも売りです」
 実に面白そう。また、多くの試合を解説してきたことで、Mリーグで勝つために必要なものも見えつつある。

「あまりチーム戦ということを考えすぎていない人の方が勝っているイメージがあります。なので、僕もあまりそこに意識をとらわれすぎずにいこうかな、と思っています」

 唯一、心配なのは、入団会見で見せた“緊張”ぶり。Mリーグという大舞台で実力を発揮できるか心配になった人もいたかもしれないが、渋川はこんな力強いメッセージを寄せてくれた。

「ご安心ください。僕が苦手なのは『入団会見』だけです。麻雀もしゃべりも比較的こなせるほうですので、すぐに不安を払拭してみせます!」

☆しぶかわ・なんば 1986年5月19日、広島県生まれ。日本プロ麻雀協会所属。第20期雀王の他、団体主要タイトルすべてを獲得するグランドスラムを達成している。好きな役と得意な役は「ともにホンイツ。とても効果的です!」。対戦してみたいMリーガーは「佐々木寿人さんの麻雀がリズムが良くてスカッとしてて好きで、あの麻雀を打てることを尊敬していますので、戦いたいですし、負けたくもありません!」。

【個人タイトル展望】渋川に加え、先週紹介した鈴木優、仲林圭(ともにパイレーツ)が新加入。トップが多い攻撃型の鈴木が個人スコアや最高スコア争いに顔を出しそうだが、実はMリーグの個人スコアはラスの少なさや、連対率の高さも大きく関係してくる。確実性のある渋川や仲林からも目が離せない。
 データ的には過去のレギュラーシーズンの累計ポイント数トップで放銃率が最も低い多井がMVP大本命なのだろうが、そもそも現在のMリーグでは、選手同士の力量が接近している。昨季の瑞原も、開幕前にMVP候補として名前が挙がっていたとは言えず、そう考えると、誰にでもチャンスはある。昨季入団し、トップ率が38.1%もあった伊達や、アガリ率やリーチ成功率で高い数字を残した東城が、場慣れした2年目で爆発する可能性もありそうだ。

【Mリーグとは】2018年に発足。麻雀の普及と競技化、健全化を図り、麻雀自体の社会的地位の向上および認知の拡大、新たなファンの獲得を目指すとともに、老若男女が安全に楽しめる高度な頭脳スポーツとしての麻雀を追求している。
 代表理事(チェアマン)は藤田晋サイバーエージェント社長、最高顧問は川淵三郎氏。ルールは東南戦で「一発・裏ドラ・赤ドラあり」。優勝賞金は5000万円。各チーム4人、男女混成の8チームで争う(全32人)。来年4月末まで、レギュラーシーズン94試合(全188試合)を行い、上位6チームがセミファイナルシリーズへ(各チーム20試合、全30試合)。さらに上位4チームがファイナルシリーズへ進み、16試合を戦い、優勝チームを決める。