口の中で炎症が起き、痛みを感じる病気の口内炎。食べにくい、しゃべりにくいという状態を招き、生活の質を大きく下げてしまいかねない病気だ。治療法についてや口内炎にならないために日常生活で気をつけたいポイントについて、歯科医師の岩渕彩加先生に話を聞いた。
――口内炎ができた場合、どの科を受診すればいいでしょうか
岩渕医師(以下、岩渕) 口の中で目に見える範囲であれば、まずは歯医者への受診をおすすめします。もし、喉に近い場所に違和感があったり、飲み込みづらさに悩んでいたりする場合は、耳鼻咽喉科の受診も検討しましょう。
――受診する目安について教えてほしいです
岩渕 口内炎はだいたい1~2週間で自然と治ります。しかし、2週間以上たっても治らない場合や、何度も繰り返す場合は、医療機関を受診してほしい。単なる口内炎ではなく、別の疾患が隠れている可能性もあります。口内炎のように見えて、実は舌がんだったという例もありますし、多発する場合は自己免疫疾患が関係していることもあります。
――口内炎の治療はどのように行われますか
岩渕 基本は炎症を抑える外用薬です。ステロイド軟膏や、患部に貼るパッチ薬を使用します。加えて、レーザーを当てて治癒を促進する治療を行うことも。炎症が強い場合には、ビタミン剤や抗生物質などの内服薬を併用することもあります。また、原因がかみ合わせや詰め物の形にある場合は、削るなどをして調整を行います。
――早く治すためのポイントはありますか
岩渕 十分な睡眠を取るなど、疲れをためないことが何より大切です。ほか、ビタミンBも意識して摂取しましょう。気になって触ったり、舌でいじったりするのは逆効果です。傷口から細菌が増えやすくなり、治りが遅くなる原因になりかねない。刺激物や辛い食べ物も、治るまでは控えた方がいいでしょう。
――口の中の病気というと、虫歯や歯周病がありますが、関係ありますか
岩渕 口内炎は虫歯や歯周病とは関係ないとされています。原因となる細菌も違うんです。ただし、口の中というのは“見える臓器”であり、健康状態を映すバロメーターと言ってもいい。そのため、口内炎が起こっているということは、口の環境が悪い、または免疫の力が下がっているとも言えます。口の中を清潔に保つことは口内炎だけではなく、虫歯や歯周病、全身の健康にもつながります。食後の歯磨きを習慣にし、口の中を乾燥させないよう意識してください。
◆いわぶち・あやか 日本大学歯学部卒業。厚生労働省歯科医師臨床研修指導医、臨床歯科麻酔管理指導医(JDA)。審美歯科、インプラント手術の分野にて研鑽を積む。都内の歯科クリニックで院長などを務めた後、2024年「A Dental Clinic 道玄坂」を開業。











