【岡田紗佳のもう一度見たい麻雀Mリーグ】

4月10日第2試合 南3局0本場=滝沢和典(格)、勝又健志(風)、醍醐大(フ)、園田賢(ド)

 KADOKAWAサクラナイツの岡田紗佳です。勝又選手が軍師の異名通り、河に策を巡らせて素晴らしいアガリをつかみ取りました。

 残り2局でラス目の勝又選手の配牌はバラバラでスピード感は全くありません。勝又選手は常日頃から「早い手はテンパイしなかったらどんどん価値は落ちていくけど、高い手は何巡目になっても価値がある」と言っているように、配牌でアガリが遠いと見ると終盤までもつれた時に高打点になるように打とうという選手です。配牌は全くダメでもいつの間にか終盤に高い手で追いついている勝又選手の姿を何度も見てきました。

 この局の配牌ではトイツ手やジュンチャンしか見えず、どうせ後手に回るのならば打点で見合わせようという感じで進めていきました。それと同時に河をつくって他家を惑わせるという作戦に出たのです。2巡目に萬子4677となったところで4萬、3巡目に7萬がアンコになると6萬を切っていきました。とても勝又選手が7萬を持っているとは思えない河です。

スピード感はなさそう
スピード感はなさそう

 

 これにまんまと引っかかったのが園田選手です。すでにドラ3索と8萬のシャンポンでテンパイしていたところ、6萬を引いてきてカン7萬にも受けられるようになりました。ドラ3索は場に放たれないとして、自分の目から見えていない8萬2枚と7萬3枚を比較し、カン7萬に受けました。

 場を見ると萬子の上は絶好で、7萬は親の醍醐選手が1枚切っているとはいえ、少なくとも2枚は山に残っていそうです。そもそも園田選手の目から6萬も9萬も3枚ずつ見えており、「7萬は山以外のどこにあるんだ」という話なんです。園田選手に続いて、萬子の上は良しと判断した滝沢選手もペン7萬でリーチを打ちました。

園田選手の選択は当然です
園田選手の選択は当然です
滝沢選手のリーチも納得でしたが…
滝沢選手のリーチも納得でしたが…

 

 ところが絶対に持っていなさそうな勝又選手がアンコだったため、7萬は純カラです。園田選手はシャンポンなら山4だったところ、勝又選手が意図的につくり上げた河に“誘導”されて、純カラのカン7萬にしました。

 河で他家を惑わせつつ、自分の手牌を進めていた勝又選手は三暗刻赤の8筒単騎、テンパネ8000点の手で追いつきます。園田選手がシャンポンだったら放銃になっていた8萬も切っていき、その園田選手から出アガリました。満貫ツモ条件だったオーラスでは跳満をツモアガり、昨年10月以来のトップを大逆転で決めました。

見事なアガリでした
見事なアガリでした

 試合後のインタビューでは「自分の手が遅そうだから、相手が間違えてくんなきゃアガれないと思って場況を、いいところと悪いところをごっちゃにする作戦がうまくいって良かったです」と話していました。「ごっちゃにする作戦」なんて今まで聞いたことがないです! 風林火山はジリジリとポイントを減らしていましたが、今シーズン苦しんだ勝又選手が素晴らしいトップを取って、また士気が上がりそうですね。