先日、地元の銭湯で「トレーニングバー」の広告が目に留まった。トレーニングバーはジムにバーを組み合わせた施設のこと。マシンの使い方を教えてもらいながら筋トレができ、その後にはバーで酒も楽しめるという。銭湯仲間に聞くと、筋トレ愛好家の間では以前から知られた存在のようだ。
そこでふと気になったのが、「筋トレとお酒は両立できるのか」という疑問。筋トレをすると、筋肉の中では「mTOR(エムトア)」と呼ばれる、筋肉を育てるスイッチの役割を担うたんぱく質が活性化し、筋肉の材料となる筋たんぱく質の合成が始まる。ところが、大量のアルコールを摂取すると、このmTORの働きが弱まり、筋たんぱく質の合成が抑えられることが報告されている。さらに、アルコールは睡眠の質を低下させたり、脱水を招いたりするため、筋肉の回復にもマイナスに働く可能性がある。
では、筋トレ後は酒をガマンしなくてはいけないのかといえば、決してそうではない。近年の研究では、アルコールの影響は飲酒量や飲むタイミング、たんぱく質などの栄養摂取によって変わることも分かってきた。つまり、「一杯飲んだから筋トレが無駄になる」という単純な話ではないのである。
だからこそ重要なのが「飲む順番」である。筋トレ後30~60分程度は、筋肉が栄養を取り込みやすい時間帯とされている。まずは水分を補給し、プロテインや卵、豆腐バーなど高たんぱくな食品で栄養補給を優先。その後に、酒を適量楽しむほうが、筋肉への負担を抑えやすい。
大切なのは「飲むか、飲まないか」という二者択一ではなく、飲み方をコントロールすること。筋肉の回復を意識しながらメリハリをつけて飲む。それが酒好きにとって現実的な付き合い方だろう。
筋トレも、酒も、人生を豊かにしてくれる楽しみの一つ。どちらかを諦める必要はない。筋肉の仕組みを知り、飲み方を少し工夫するだけで、筋肉も酒も、もっと長く楽しめる。












