【女流雀士NEXTヒロインインタビュー】今月から、芸能活動も行う麻雀プロの中でMリーグ入りもささやかれるほどの実力を持つ女性雀士のインタビューしている。今回は、19歳の時に民謡の全国大会で準優勝し、愛媛・伊予観光大使も務めながら、ガールズ音楽ユニット「Suupeas(すーぴーず)」として活動している武田雛歩(日本プロ麻雀連盟)の後編。Mリーグへの正直な気持ちを告白する。

 自身の麻雀の特徴は「負けていても焦らず、冷静でいられることかな」とはにかむ。「昔からマイペースなんですが、焦らないという幼少期からの性格は、そのまま麻雀にも出ていると思います。なので、もしも南場ですごい負けていたとしても、心の持ちようはすごく冷静な状態なので、見放さないで最後まで見続けてほしいです」と、ゆったり構えるところは“お昼寝系”がコンセプトの「Suupeas」のイメージとも重なってくる。

 マイペースかつポジティブな性格は、祖母からの言葉によって形成されたという。「ちっちゃい頃から『とにかく謙虚に、何があっても謙虚に生きなさい』とおばあちゃんから言われて育ちました。そういう姿勢が麻雀に出ているかどうかは分からないんですけど、生かされたらいいなと思っています」

「好きな牌は中なんで、部屋にある麻雀グッズは中だらけです」
「好きな牌は中なんで、部屋にある麻雀グッズは中だらけです」

 初タイトルは今年3月、「第11期桜蕾戦」だった。次世代スターの登竜門とされているタイトル戦で、過去には伊達朱里紗(KONAMI麻雀格闘倶楽部)、菅原千瑛(元BEAST Japanext)も獲得している。

「最終戦はトップなら優勝という条件だったので、東場は緊張して焦っちゃったんですけど“東場は打点、南場は順位”という沢崎誠さん(元KADOKAWAサクラナイツ)からのアドバイスを胸に気持ちを切り替えてからは、落ち着いて打てるようになれたんです。そうしたらいい方向に進んで、倍満をアガれて逆転優勝することができたので、心の持ちようは本当に大事だなと思いました」

「麻雀オールスター BS10チャンピオンシップ 著名人女性プロ予選会」でも、次世代Mリーガー候補としても注目されている日本プロ麻雀連盟の篠原冴美、木下遥、最高位戦日本プロ麻雀協会の佐野ひなこと対決し勝利した。

「あの対局の時はものすごくビビっていたんです。でもビビっている時ほどちょっと冷静というか、焦らずおっとりした意識で打てる気がするので、何が何でもと勝ち気にならない時の方が、いい結果が出やすいんです」

その対局での武田(「麻雀オールスター BSチャンピオンシップ」にて=全国無料のBS放送局「BS10」で毎週水曜放映中)
その対局での武田(「麻雀オールスター BSチャンピオンシップ」にて=全国無料のBS放送局「BS10」で毎週水曜放映中)

 Mリーグに対しても、観戦しながら冷静に自己分析しているという。

「Mリーガーになることは目標なんですが、正直自分にはまだ遠く感じています。Mリーグって面白いなという素直な感情もあれば、自分がこの舞台に立つことができるのかな? こんなに多くの人たちに見られるプレッシャーの中で戦えるのかな?って思いながら見てたりなど、毎年違う感情が湧き上がってくるんです。でもやっぱりファイナル佳境で、ここでトップを取れば優勝できるかもしれないみたいな状況で戦うのは、今の自分にはまだまだ無理だなって感じてしまうんですよね」

 憧れのMリーガーがいる。

「声優もされながら麻雀もめちゃくちゃ強い伊達朱里紗さんは本当にもうすべてが憧れです。伊達さんは自分が役満をテンパイしているのに相手のアタリ牌を止めた時からすごいなって思って、その後も放銃しそうな牌を止めたシーンが何回もあって、一気に好きになりました。全然まだまだ到達できないんですけど、伊達さんのように押し引きバランスに優れた選手になりたいなと思っています」

 音楽活動とプロ雀士という二刀流生活の中、麻雀の勉強にも力を注いでいる。

ガールズ音楽ユニット「Suupeas」としても活動中
ガールズ音楽ユニット「Suupeas」としても活動中

「日本プロ麻雀連盟の女流勉強会で、滝沢和典プロと山田浩之プロに教わっています。さらに最近は何切る動画を見たり、桜蕾戦に臨む時は桜蕾戦の過去対局を全部見たりなど、対局映像を見て相手を研究する時間も取っています」

 プロ雀士として“なりたい理想像”がある。

「まずは所属団体の女流リーグ戦である女流桜花で昇級し、将来的にはMリーガーになることを目標としています。そのためには努力を続け、勝っても負けても応援してもらえる選手でありたいなと思っています」

 TikTokのフォロワー数は34万人を超えており「ウマ娘 プリティーダービー」に登場するトウカイテイオー、オグリキャップ、マンハッタンカフェといったキャラクターの声マネも披露している。

 また、「Suupeas」ファンからは“ひなぷ”と親しまれ、プロ雀士としては“愛夢プラチナハート”という通り名を持つ。「愛媛の愛に夢と書いてアイムと読むんですが、愛媛にある『麻雀カフェM―SPACE』で麻雀教室の講師をされている松本京也プロに名付けてもらいました」。愛媛で育てた夢を純粋な心で実現する日はそう遠くはないかもしれない。

 ☆たけだ・ひなほ 1999年3月3日、愛媛県生まれ。O型。“お昼寝系”ガールズ音楽ユニット「Suupeas」のボーカルとして活動。2021年、日本プロ麻雀連盟のプロテストに合格。獲得タイトルは第11期桜蕾戦、ABEMA10周年記念「30時間限界突破フェス・チーム対抗!芸能人朝まで徹マン決定戦」優勝。勝負メシは麻辣湯。