夏の夜中に急にふくらはぎがつり、目が覚めたという経験をしたことがある人もいるだろう。「こむら返り」と表現されるこの症状は、体で何が起こっているのか、内科医の近藤千種先生に教えてもらおう。
――「こむら返り」とは
近藤医師(以下、近藤)医学的には「有痛性筋痙攣」と呼ばれます。筋肉が急にギュッと収縮し、そのままうまく緩まなくなる状態です。突然の強い痛みや、筋肉が硬く盛り上がる感じがあり、数秒から数分続きます。治まった後もしばらく筋肉痛のような違和感が残ることもあります。
――原因は何でしょうか
近藤 原因は1つではなく、様々な要因が重なって起こります。まずは、筋肉の収縮と弛緩をコントロールする神経が過剰に興奮していること。これは、疲労や加齢などが影響します。ほか、脱水や電解質の変化、筋肉の疲労や血流の低下、冷えも関係します。さらに、基礎疾患が影響することもあります。
――特に夏の夜にふくらはぎがつるイメージがあります
近藤 汗をかくことで水分が失われやすく、脱水や電解質バランスの変化が起こりやすくなります。暑さによる疲労、睡眠の質の低下、冷房による冷えなども関係する。さらに就寝中の姿勢も一因です。足首が自然と伸び、爪先が下がった姿勢になりやすく、ふくらはぎが縮んだ状態になりやすい。その状態で神経や筋肉が刺激されると、筋肉が急に収縮しやすくなるということです。
――ふくらはぎ以外の部位も、こむら返りは起こるのでしょうか
近藤 ふくらはぎに起こることが多いですが、足の裏、太もも、手がつる方もいます。ふくらはぎに起こりやすいのは、立つ、歩く、走る、階段を上るといった日常生活でよく使う筋肉だからです。腓腹筋というふくらはぎの表面側にある大きな筋肉はヒザ関節と足関節をまたぐ筋肉で、疲労がたまりやすい部位なんです。
――こむら返りが起こりやすい人とは、どういう人ですか
近藤 筋肉が疲労しやすい人、汗をかきやすい人、高齢者、運動量が多い人、水分をあまり取らない人などです。ほか、糖尿病や腎臓病、末梢神経障害などの基礎疾患がある人や、利尿薬など水分や電解質のバランスに関係する薬を服用している人も起こりやすい。こむら返りは、若い人から高齢者まで誰にでも起こる症状です。一時的なものであれば、そこまで心配する必要はありませんが、繰り返すようならば、医療機関を受診してください。











