体内時計のリズムと社会的な時間のずれによって起きる睡眠障害を「概日リズム睡眠障害」という。睡眠の悩みは自力で解決しようと思ってしまう人もいるだろうが、どれくらいを目安に医療機関を受診した方がいいのだろうか。心療内科医で睡眠に詳しい田中奏多先生に教えてもらった。
――医療機関を受診する目安について教えてください
田中医師(以下、田中)睡眠時間のずれを自覚し、2週間ほど体調不良を繰り返し感じているのであれば、睡眠外来を持つ医療機関への相談を検討してほしい。また、土日に寝だめしないと体がつらいという状況も不調のサインです。
――土日に動く気が起きないのは、怠けているのだと自分を責めてしまいがちです
田中 土日に動けないのは、怠けではなく、心身に疲労がたまっているサインです。平日の睡眠で疲れが取れていれば、土日に寝だめは必要ありません。寝だめが必要な時点で、自分の回復力を超えた疲労が蓄積しているのです。
――どういう治療になるのでしょうか
田中 睡眠衛生指導を受けましょう。薬も役に立ちますが、それだけに頼らず、自分で睡眠を整える力を身につけていくことが重要です。
――薬だけの治療ではないんですね
田中 この病気に関しては、体のリズムと社会的なリズムを調整する必要があるため、一番大切なのが生活のバランスを整えることです。体内時計を整える目的の薬もありますが、飲めば概日リズム睡眠障害が必ずしも治るわけではない。薬物療法はあくまでも補助的な役割です。
――睡眠衛生指導とは
田中 生活記録表を書き、ご自身の睡眠のリズムや、日中に眠気が出たのはいつなのかなど、睡眠の状態を整理していきます。書き出すことで、状況が可視化され、生活の意識が変わることで、睡眠障害が改善していく人もいます。また、その記録の中から、睡眠に関する様々な改善点を見つけ、できることを段階的に提案していきます。
――概日リズム睡眠障害にならないために、まず意識すべきことは
田中 朝の起きる時間を一定にすることです。そして、体内時計は脳の体内時計と消化管の体内時計があり、朝の光を浴びることと朝食がそれぞれの体内時計のスイッチになります。どうしても長く寝たい時は、プラス1時間程度に抑えておくこと。体内時計は1日1時間なら早めることができるので、次の日への影響を最小限に抑えられますよ。












