【イケメンドクター・吉田眞の医学情報のウソ!ホント?】

 人気音楽プロデューサー・つんく♂さん(45)が初期の喉頭がんであることを公表しましたね。それと関連した質問だと思いますが、「歌いすぎると喉頭がんになる」ことはありません。

「喉頭」とは、口腔から気管につながる場所のことで、いわゆる喉仏周辺の内臓器官であり、飲み込んだ食べ物が、気管に入らないための関門である「喉頭蓋(こうとうがい=フタのことです)」と、「声門」を含んでいます。

 食べ物を飲み込む際には喉頭蓋が気道をブロックし、気道の異物に対しては声門が閉じることで咳が起きます。キレイな歌声も、もともとは異物をブロックする筋肉の膜=声門の振動で作られているのです。

 喉頭蓋と声門のがん、つまり喉頭がんになる最大の要因は「喫煙」とされています。患者の9割が喫煙者であり、それに飲酒癖が加わることで、さらにがんの発生率が高まります。

 プロの歌手が晩年に喉頭がんになる、ということはなく、ハスキー声も声帯ポリープも、がんとは無関係です。もちろん喫煙していなければ、ですが…。

 喉頭がんは声がれで発見されることが多く、しばらくはその進行に気づかないようです。現在は手術によって8割が治癒する、と言われていますが、その際は声門を切除するケースも多く、残念ですが、その時にはもう歌うことは諦めなければなりません。

☆よしだ・しん=内科・外科をともに扱う総合診療科医を経て、現在は精神科医。1972年1月10日生まれ。東京医科大学を卒業後、都立松沢病院で研修。その後は非常勤医師として、刑務所、少年院、ホームレス支援施設、高齢者の在宅診察などに従事し、精神医療のディープな部分につかる。2009年にはラジオパーソナリティーを務めた。