「なかなか眠れない」「朝起きるのがつらい」と感じ、日中の体調不良もあるようならば、単なる睡眠不足ではなく「概日リズム睡眠障害」という睡眠障害の一種である可能性があるという。どのような病気なのか、心療内科医で睡眠に詳しい田中奏多先生に話を聞いた。
――概日リズム睡眠障害とは
田中医師(以下、田中)体内時計のリズムと社会的な時間のずれによって起こる睡眠障害です。睡眠時間はある程度確保はできているものの、自ら望む時間帯に睡眠を取ることができていない状態です。眠るべき時間に眠れず、起きるべき時間に眠く、日中の活動に支障もきたしていきます。
――どのような症状を自覚するのでしょうか
田中 体がだるい、頭が動かない、日中の眠気、食欲不振、頭痛、めまい、自律神経の異常などです。また、日中の生産性にも大きく影響します。体のリズムが社会生活とずれると、仕事がはかどらなくなり、その心的ストレスから、さらに眠れなくなる悪循環が生まれます。ほか、睡眠の質が悪いと、生活習慣病も加速しやすいです。
――生活習慣病と睡眠障害が関係するんですか!?
田中 睡眠不足だと、血圧上昇などが起こり、動脈硬化の進行を進めてしまいかねないんです。また、良質な睡眠には体の炎症反応を落ち着ける作用があります。しかし、その効果も期待できなくなってしまいます。
――発症のきっかけはどういうケースが多いのでしょうか
田中 夏休みや冬休みなど長期休暇で生活リズムが乱れたり、海外渡航や赴任などによる時差ボケ、交代勤務による睡眠時間の変動などがきっかけになったりします。さらに、ストレスや不安で眠れなくなり、副次的に概日リズム睡眠障害になるケースもあります。
――患者数が多い年齢層や男女差などの特徴はありますか
田中 30代から50代の働き盛りの世代が多いですね。男女差はそれほど顕著ではありません。仕事のプレッシャーや不安で眠れなくなるというだけではなく、家に仕事を持ち帰って朝まで仕事した結果、リズムがずれてしまうといったケースも。他、子育てなどでどうしても生活リズムがずれてしまい、なかなか戻せず、悩まれているという方もいらっしゃいますね。
――受診すべき診療科について教えてください
田中 内科、心療内科、精神科の3つが主な選択肢になります。中でも、睡眠外来を持つ医療機関がおすすめです。悩んで自分を追い詰めてしまう前に、専門家を頼ってください。
☆たなか・かなた 心療内科医・産業医として、メンタルヘルスのプライマリケアを担うベスリクリニックを共同創設、「薬に頼りすぎない心の医療」を実践している。企業の健康経営支援、休職者の復職支援などを幅広く手がける。












