【女流雀士NEXTヒロインインタビュー】

 Mリーグ入りもささやかれるほどの人気と実力を兼ね備えた女性雀士のインタビュー連載。今回はグラビアアイドルとプロ雀士の二刀流で活躍し“まりちゅう”の愛称で親しまれている長澤茉里奈だ。写真集は米シアトルで撮影した「MARINERS」をはじめ、紙&デジタルで50冊以上、インスタグラムフォロワー数110万人という人気グラドル誕生の原点、撮影時の知られざるハプニング、麻雀を始めた意外なきっかけを語る。

 埼玉県熊谷市で四姉妹の二女として生まれ、小学生の時は演劇、中学生の時は友達と遊ぶこと、高校生の時はアルバイトに燃えていた。「マクドナルドでのアルバイトはまさに私の青春でした。優勝賞品が海外旅行という接客スキルを審査する県大会が毎年あったんですけど、私の店舗はみんな士気が高く、バイト仲間もやる気がある子たちばかりだったので、すごく頑張りがいがあったんです。環境のおかげで高校2年時はドライブスルー部門、高校3年時はフロアサービス部門で優勝することができ、仲間とみんなで台湾と韓国に行けたことは最高に楽しかったですね」

 高校3年生の時、芸能事務所にスカウトされ、18歳から21歳までアイドルグループ「放課後プリンセス」に所属していた。

「リーダーの小田桐奈々さんがグラビアのお仕事をやっていたんですが、私もグラビアに興味があったので、ミスiDというオーディションを受けることになったんです。自己PR動画では、私の得意な接客やります!と、ファストフード風の制服と水着バージョンの2パターンで接客したらすごくバズって、一般投票1位になったんです。それ以降、グラビアのお仕事がめっちゃ増えて今に至るという感じです」

生誕30周年記念写真集はロングセラーとなっている(C)長澤茉里奈写真集「MARINERS」
生誕30周年記念写真集はロングセラーとなっている(C)長澤茉里奈写真集「MARINERS」

 グラビア撮影時の失敗エピソードは星の数ほどあると屈託なく笑う。

「撮影会では水着のひもがほどけちゃってポロリなんてハプニングもありました。カメラマンさんもプロだから気にしないだろうと思って、丸出しのまま歩いちゃったりとか、今考えたらヤバかったかなって思うこともめちゃめちゃありますね」

 麻雀との出会いは2017年、麻雀映画「咲―Saki―」の出演がきっかけだった。

「実はオーディションに受かるまで、麻雀をまったく知らなかったんです。闘牌シーンの多い役者さんは、撮影に向けてみっちり麻雀の練習時間があるんですけど、私は麻雀初心者の役だったんで、あまり練習させてもらえませんでした。なのでなんか悔しいな、私も麻雀を勉強したいなと思って始めてみたら面白過ぎて、なんだこのゲームは!って、どんどんのめり込んでいったんです」

 18年は転機の年だった。麻雀映画「ノーマーク爆牌党」ではヒロイン役、麻雀界の有馬記念ともいわれているプロアマ大会「麻雀最強戦」ではアシスタントに選ばれた。そのどちらの現場にも“メンチンのバビィ”こと馬場裕一プロ(享年65)がいた。

「映画の撮影現場でバビィさんと初めて会ったんです。バビィさんに闘牌指導していただいたおかげで、いろんな対局番組に呼ばれるようになったり、麻雀最強戦のアシスタントをやらせていただいたりなど、麻雀関連のお仕事の幅が一気に広がったんです」

 とはいえ、技術は簡単に上達せず、恥ずかしい失敗ばかり。「結果もまったく残せなくて駅のホームで号泣したこともあったんですが、バビィさんは大丈夫、絶対うまくなるからって、常に励ましてくれたんです。バビィさんのおかげで前向きに取り組むことができたので、一番恩返ししたい人だったんですけど、なんかバビィさんのことを思い出したら、泣きそうです」と馬場プロをしのび、言葉を詰まらせた。

 21年に一念発起し、日本プロ麻雀協会のプロテストを受験した。

「麻雀好きタレントとして番組に呼んでいただくことが増えてきたんですけど、なんか中途半端というか楽しいは楽しいけど、いつまでもたっても上達できないことに悩んでいたんです。しかも会ったこともない芸能人の方から、まりちゅう麻雀弱くね?みたいに陰口を言われたりしたこともあって、プロになって見返してやる!って思ったんですよね」

今では大舞台で活躍するほどの雀力
今では大舞台で活躍するほどの雀力

 プロ入り1年目で出場した対局番組「RTD Girls Tournament2021」の決勝は、いまだに忘れられないという。

「予選ではのびのび打てていたんですけど、決勝進出が決まった途端、一気に緊張してテンパってしまったんです。決勝メンバーは菅原千瑛さん、中田花奈さん、篠原冴美さん。決勝4半荘でいきなり2半荘連続でトップを取ったことで、3半荘以降は守った方がいいのか、攻めた方がいいのか、戦い方がいまいち分からない。結果的にはいつも通りトップを目指せば3連勝できた可能性もあったんですけど、なぜか守りに入ってしまって、最終戦で菅原さんにまくられてしまったことは、いまだに悔やまれます。本当にもうどうしようもない麻雀だったんですけど、あの時の悔しさは忘れられません。今は戦い方の選択肢が増えたとは思うんですけど、あの時の予選のようにのびのび真っすぐ打つ気持ちだけは忘れちゃダメだなって思っています」

 プロ入り後、胸に秘めたる思いがある。「アシスタントとして出させてもらっていた麻雀最強戦に、いつか選手として出場することが目標です。それがバビィさんへの恩返しだと思っているので、お空から見守ってもらえるように頑張ります」※後編に続く

 ☆ながさわ・まりな 1995年10月8日、埼玉県熊谷市生まれ。O型。アイドルグループ「放課後プリンセス」元メンバー。ミスiD2016一般投票1位を獲得後、グラビアアイドル、バラエティータレントとして活躍。「咲―Saki―」「ノーマーク爆牌党」など映画にも出演。2021年に日本プロ麻雀協会のプロテストに合格。RTD Girls Tournament2021準優勝。好きな役はホンイツ。好きな食べ物はラーメン。好きな言葉は「単騎は西で待て」。アイドルグループ「Chuu(ハート)Cute」のプロデューサーでもある。