クロレラは栄養豊富で、身近な健康素材として知られている。だが、注目される理由はそれだけではない。専門家に詳しく聞いた。
【世界の潮流に合致したサステナブル素材】
最近ではクロレラは栄養補助食品だけでなく着色素材や一般食品の素材としても採用される例が増えている。その理由は単に健康イメージがあるからだけではない。大きな世界的潮流が背景に存在する。
「クロレラは植物性であり、製造過程において農薬を使用しないことから、近年増加している菜食主義者や、人工的に合成された成分に抵抗があるアスリートやご高齢の方、お子さんなどにも安心して摂取してもらえます。また、閉鎖空間で培養装置を用いた製造ができるため低面積で効率よく生産が可能です。農耕地の圧迫をせず、肥料散布で河川などの生態系を乱すことがないため、環境への負荷が少ないのです。こうした特色が次世代のサステナブル素材として着目されています」
こう解説するのは、藻類の活用を研究する専門企業・アルガルバイオ事業開発グループ健康領域チームの塩野勝之さんである。
そうした中でクロレラは自然な着色素材として注目されている。緑色などの自然着色素材には抹茶があるが、その代替素材としての需要が増加しつつあるのだ。加えて、一般食品分野でも存在感を示すようになっている。スポーツ、免疫、デトックス、ヴィーガン、ベジタリアンなどをテーマとした商品に素材として採用されるようになった。
ちなみにヴィーガンは完全菜食主義、ベジタリアンは菜食主義の人たちを言う。こうした人たち向けにクロレラは植物性プロテインとして優れているので肉代替素材として応用研究が進み、すでにアメリカや韓国ではそれらの目的で利用され始めている。
また、栄養付加や食感・食味の向上、退色防止機能のために使われる素材でもある。内閣府食堂や気象庁食堂はヴィーガンメニューを揃えているが、先に指摘したサステナブル対応素材としての評価もあってクロレラが採用された。学校給食への配合も検討されているとも言われている。
【睡眠改善効果も】
塩野さんは「増殖が活発で、なおかつ屋内で培養条件をコントロールしやすい特色からクロレラは実験材料として研究にも適しています」と指摘する。研究結果の中でも注目されるのは、アルガルバイオの保有する藻類ライブラリーの「クロレラAL―0015株」が高い睡眠・ストレス改善効果を示したことだ。特に、日中の眠気に関する主観的スコアの改善が確認されている点が特徴的だ。
「OECDの調査では日本人の平均睡眠時間は調査対象33か国中で最短です。限られた睡眠時間の中で疲労を回復して日中も活発に過ごすために、医薬品や化学合成品でなくクロレラというサステナブルで植物性素材による解決策があることは重要だと考えています」(塩野さん)
睡眠に焦点を当てた同社の研究をはじめ、今後は栄養補給にとどまらない、クロレラのさらに新しい機能性が社会に広まっていくことだろう。












