クロレラは栄養豊富で、かなり以前から健康素材として知られている。そのため「健康にいい」というイメージしか持っていない人も多いかもしれないが、クロレラが注目されるのはそれだけではないと専門家は言う。

【葉緑体が生き物になった】

 クロレラは藻類の一種だ。我々に身近なノリやワカメ、コンブは大型藻類に属する。しかし藻類の多くは微細藻類であり、顕微鏡でしか見ることができない。クロレラは微細藻類の中でも小さく、2~10マイクロメートル程度の球状をしている。非常に微細なため、誕生したのは今から約20億年前と考えられているが、発見されたのは19世紀末だ。

「ちいさくて、まるくて、緑色以外に飾っていないところが、とてもかわいらしく愛らしいクロレラですが、中には光合成をできる葉緑体が1個あり、この葉緑体の割合が細胞の中でも非常に大きく、葉緑体を生き物にした生物と言っても過言ではありません。クロレラは長年サプリメント等で親しまれていますが、栄養補給の面で優れている点が注目されてきた大きな理由です」

 こう語るのは、クロレラなど藻類の活用を研究する専門企業・アルガルバイオ事業開発グループ健康領域チームの塩野勝之さんだ。

 クロレラは、タンパク質つまり植物性プロテインやアミノ酸、ビタミン、ミネラル類を多く含む。タンパク質を約60%、カルシウム・リン・カリウム・マグネシウムなどのマクロミネラルと、亜鉛、銅・鉄などのトレースミネラルをバランスよく含有。ビタミン類では、葉酸、ビタミンB6・D・Eを含むという。
 注目すべきは、植物類では稀有なビタミンB12を含む点だ。さらに、赤血球の生成や精神疾患に有効な葉酸も同時摂取できる。そうした点から栄養補給をうたう商品の素材として活躍してきたわけだ。

【拡大する藻類マーケット】

 最近では、クロレラを含む微細藻類全般の市場規模の拡大が大きな注目を集めている。

「世界の微細藻類利用製品の市場規模は、2028年には28億米ドルを超え、2021年の16億ドル強から7年で約1・7倍の成長が予想されています。市場拡大の背景には、微細藻類が健康食品のほか代替タンパク質、バイオ燃料など幅広い用途での応用が期待されていることがあります。微細藻類は、自然環境への配慮をしながら様々な用途への活用可能性が見込まれる、ポテンシャルの高い生物なのです」(塩野さん)

 そうした中でクロレラは、従来のビタミン・ミネラル補給だけでなく最近は自然着色素材として、あるいは一般食品として植物性プロテインが豊富などという点で注目されている。次回は、栄養補助素材としてだけでないクロレラの魅力について聞く。