来月3日に迫ったプロ麻雀リーグ「Mリーグ」2022―23シーズンの開幕に合わせ、今週から「週刊Mリーグ」も復活です。熱戦を楽しむために大事なのは“予習”。中でも真っ先にチェックしておくべきは新加入選手でしょう。まず今週は、U―NEXT Piratesに加入した2人、鈴木優と、仲林圭を紹介します。 (毎週水曜掲載)

 昨季、ファイナル進出を逃したU―NEXT Piratesはレギュレーション(※)により、今季は選手を入れ替える必要があった。

 チームが下した決断はMリーグ開幕から参加してきた石橋伸洋と朝倉康心との契約を満了し、新たに2人の選手を迎え入れるというもの。7月11日に行われたドラフト会議で鈴木優と仲林圭を指名した。これにはチームの狙いも見え隠れする。

 木下尚監督が明かしたのは「圧倒的な勝利を目指す」という方向性。そのためには低かったトップ率を上げなければならない…これは、ドラフト1位で鈴木を選んだ理由と大きくリンクする。

 鈴木は最高位戦日本プロ麻雀協会の最高タイトル「最高位」の保持者。「麻雀最強戦」での活躍も目立ち、その強さは誰もが知るところだが、最大の売りは“トップが多い選手”だということだ。「戦闘民族」と呼ばれるほど、超攻撃的なスタイルで、大きなトップも取れる。本紙の取材に、本人もこう答えた。

 「相手を恐れず踏み込んでいけるのが自分の強みです。アガリの取れそうな価値ある手牌になったと判断したときはしっかりと攻めていきます。メリハリのある押し引きを見てほしい」

 そのスタイルの根底にはこんな考えがあるそうだ。

 「やはりオカ(トップ賞)のあるルールではトップが偉い(ので取りにいくのは当然)。そもそも当たり牌というのはリャンメン待ちでも多くて2種類。当たらない牌の方が多いんです。守ってばかりではトップは取れません」

 名古屋在住で、単身赴任での参戦になり、洗濯や食事など、生活面の不安もあるというが、逆に言えば麻雀のみに集中できる環境になるとも言える。「毎日いっぱい練習ができる」「Mリーグの舞台で経験を積んで多井隆晴(ABEMAS)を超えたい」と気合十分の鈴木が、雀風通り、トップを量産すれば、Piratesの躍進は約束されたようなものだろう。

 一方、2位で指名された仲林圭は鈴木ほど分かりやすい個性はない。本人も本紙の取材に自分のスタイルについて「オーソドックスな教科書のような打ち方」だと語っているのだが、ここ数年、業界内での評価は非常に高く、れっきとしたタイトルホルダーでもある。
「誰よりも勉強してきて、勝ってきた自負がある。自信はあります」

 ビッグマウスともとられかねないが、それこそ自信があるからで、確実にチームにポイントを持ち帰りそうな気配。しかも、強いだけではなく、盛り上げ役、周囲を元気にする役割も担える性格なので、どちらかというとおとなしめの印象があったPiratesの雰囲気も変えてくれそうだ。

 また、本人いわく「視聴者の皆さんがマネをしやすく、勝てる麻雀」とのことなので、麻雀がうまくなりたい人は、注目しておいて損はないだろう。

 ラスを引かない“麻雀サイボーグ”小林剛、昨季のMVP瑞原明奈にこの2人が加わった“シン・Pirates”は、今季の台風の目になるのは必至。目が離せないが、もう1人、今季は選手を加えたチームがある。次週、詳しく見ていこう。

 ※「2020シーズン」から起算し、閉幕時に同一の選手構成かつ2シーズン連続でファイナルシリーズに進出できなかった場合、翌シーズン最低1人の選手を入れ替える、または選手の追加によってチーム編成を変更しなければならない。

 【Mリーグとは】2018年に発足。麻雀の普及と競技化、健全化を図り、麻雀自体の社会的地位の向上および認知の拡大、新たなファンの獲得を目指すとともに、老若男女が安全に楽しめる高度な頭脳スポーツとしての麻雀を追求している。

 代表理事(チェアマン)は藤田晋サイバーエージェント社長、最高顧問は川淵三郎氏。ルールは東南戦で「一発・裏ドラ・赤ドラあり」。優勝賞金は5000万円。各チーム4人、男女混成の8チームで争う(全32人)。来年4月末まで、レギュラーシーズン全94試合(全188試合)を行い、上位6チームがセミファイナルシリーズへ(各チーム20試合、全30試合)。さらに上位4チームがファイナルシリーズへ進み、16試合を戦い、優勝チームを決める。

☆すずき・ゆう 1981年9月13日、愛知県豊橋市生まれ。最高位戦日本プロ麻雀協会所属(東海支部長)。第46期最高位&第5回関西王者。麻雀最強戦2008ファイナルで決勝進出。同2012全日本プロ選手権優勝。好きな役は「全くありませんが、強いてあげるなら緑一色(キレイなので)」。

☆なかばやし・けい 1985年9月17日、東京都生まれ。日本プロ麻雀協会所属。第10期雀竜位、第29期發王位、第7回オータムチャレンジカップ優勝、第4回新星戦優勝、麻雀最強戦2018全日本プロ代表優勝、同2021超技能バトル優勝。二つ名は「龍を継ぐ者」。好きな役、得意な役は「リーチ、ホンイツ」。今まで最も多く上がった役満は「四暗刻」。