「イラン戦争ショック」で、日本の株式相場はジェットコースターのような乱高下相場となっている。不確実性の高まりと原油急騰を背景にリスクオフの動きが広がり、上昇を続けてきた日本株が割を食った格好だ。

 10日は、トランプ大統領の「戦争終結は近い」との発言を受けて相場は急反発したものの、投げ売りのピークを示唆するセリングクライマックスは見られず、まだ予断を許さない状況である。当面は押し目買いのチャンスをうかがいつつ、動向を見守るべきだろう。先週の当欄は押し目買い狙いに照準を絞って銘柄を紹介した。今週も引き続き、取り上げてきた銘柄の中から、押し目買いに適した銘柄を取り上げたい。

 まずは、旧財閥系の化学メーカーである三井化学(4183=2049・5円)。政府は「アンモニア燃料船」の増産を目指しており、すでに大手海運や重工企業がこぞって開発、実証を進めている。アンモニアの製造はUBE(旧宇部興産)が日本最大の生産工場を有していたが、同社はアンモニア製造の国内生産終了を発表した。三井化学はアンモニア燃料の活用を進めており、「アンモニア燃料関連株」の主力になる可能性がある。旧財閥系企業で配当利回りが高く、相場急落への耐性が高いのもポイントだ。

 東京産業(8070=937円)は三菱重工系の機械商社で、原発向けも手掛ける。原発関連株は、当欄で取り上げた日本ギア工業(6356)やTVE(6466)が足元の相場急落で逆行高するなど強さを見せるが、同銘柄にはまだ買いの手が伸びていない。対米投資プロジェクト絡みもあって業績拡大が見込める一方、PER(株価収益率)は6倍台と割安感が強い。通期決算の見通しに対する進捗率は高く、上方修正への期待が高まる。

 電力株といえば、以前は「ディフェンシブ銘柄」の代表格だったが、北海道電力(9509=1042・5円)は成長企業へと変貌中だ。北海道は、ラピダスの半導体工場やデータセンター建設ラッシュで電力需要が大幅に増加する見通しである。同社は傘下に電気工事や発電所建設の会社を抱えており、電力需要増加の恩恵をフル享受するだろう。また、同社が運営する泊原発は1~3号機すべてが稼働を停止しているにもかかわらず、収益の水準は稼働停止以前の数字を上回っている。再稼働のシナリオは見えつつあり、それが実現すれば収益は跳ね上がるだろう。株価は下値抵抗力が強く、1000円接近は買い場。(株価は10日終値)