トランプ大統領から安倍昭恵氏、立花孝志氏まで…。高市早苗首相の陣営が自民党総裁選や衆院選で他候補のネガティブ動画の作成、拡散に関与したと週刊文春が報じた疑惑で、動画を作成したとするneu社の松井健CEO(33)の〝怪人脈〟が徐々に明らかになってきた。どうやら政界の大物に相当食い込んできたようだ。

 ネガキャン動画疑惑で高市首相は一貫して、陣営の関与を否定。「認めていません」と自身の秘書と松井氏の接点すらもないと火消しに走っている。野党が松井氏や秘書の参考人招致を検討している中、京都大学大学院教授の藤井聡氏は8日、SNSで「当方が直接存じ上げる範囲の事実関係を明らかにしておくことが、国会における事実関係の整理の一助となる可能性がある」と松井氏を高市氏の秘書に紹介した経緯を説明した。

 昨年春に藤井氏が主宰する私塾参加者から松井氏を紹介されて、国民民主党の玉木雄一郎代表と面識があることから3人で食事をしたという。その後、自民党総裁選で「私の方から松井氏に高市氏支援についての関心の有無を確認したところ、関心をお持ちのご様子でした」と高市氏の秘書に連絡先を伝えたという。

 松井氏は先月18日にYouTubeチャンネル「NoBorder News」に出演した際、「(高市事務所からの)依頼という形ではなかった。私のところにヘルプが入った」と話していたが、藤井氏は「私と松井氏のやり取りの記憶に対応していると思われます」と仲介の依頼主は自身だったと証言した形だ。一方で、「報道されている動画配信の有無、経緯・詳細については、私自身は把握しておりません」とネガキャン動画の作成、拡散には関与していないとした。

 松井氏の名前がクローズアップされたのは、今年3月の暗号資産「SANAE TOKEN(サナエトークン)」騒動で、高市首相が関与を否定した直後に「トークンの設計および発行に至るまでの一切の業務について、責任を負っていた」とXで名乗り出てからだ。

 松井氏の素性が調べられる中で、安倍昭恵氏が昨年10月にXに投稿した靖国神社を参拝した写真がネット上で話題となった。そこには昭恵氏、サナエトークンの共同主宰者の溝口勇児氏らと一緒に写る松井氏の姿があった。

 さらに名誉毀損容疑で起訴され、神戸拘置所に勾留中の立花孝志氏も松井氏と親交があることを明かしていた。立花氏の代理人を務める福永活也弁護士は自身のYouTubeで「女医さんのパーティーで松井氏と立花氏を引き合わせた。(松井氏は)トランプ大統領との2ショットを持っている」と話し、松井氏と立花氏は急速に関係を深めたという。立花氏によれば、2024年の都知事選に松井氏が主導する「ビットコイン党」の候補者擁立構想もあったという。

 共同通信の取材に松井氏は衆院選前に高市氏の秘書から「『今回もお願いします』と電話で依頼され、50人前後の陣営から声をかけられた」と話し、与野党20人に協力したという。

 今回の騒動で、松井氏の証言の信ぴょう性を危ぶむ声も出ているが、トランプ氏や昭恵氏、玉木氏、藤井氏らと〝接点〟があることでの信用やネット戦略での辣腕ぶりに永田町で多くの〝顧客〟を抱えていたことは間違いなさそうだ。