【今週は天野秀夫氏】米AI(人工知能)半導体関連が高値警戒感から前週末に売られ、東京市場も荒れ相場のスタートとなった今週。週末12日にはメジャーSQ(特別清算指数)の算出も控え、下振れリスクを警戒する投資スタンスも求められる場面だ。

 こうした相場局面で注目されるのは需給の下支えとして働く自社株買い実施銘柄に関心が向きやすいこと。株価低位ながらも自社株買いを実施中で、配当計画を持つ銘柄には水準訂正高が期待できる。

 メジャーSQ通過後は、物色展開の転換点ともなりやすく個別物色人気が高まるタイミングでもある。

 東証プライムのレック(7874=942円)の自社株買いは6月8日に発表されたばかり。発行済み株式数の2・97%にあたる100万株を上限に取得期限は12月8日。日本製鉄を筆頭株主に持つ線材加工製品の総合メーカーで、めっき線で国内トップ。自動車部品、電線、建築向けを顧客に持つほか、虫よけ「バルサン」ブランドを持つシーズンストック銘柄。PBR1倍割れで、年間配当28円予想での配当利回り3%超の銘柄。

 東証スタンダードの日亜鋼業(5658=349円)の自社株買いは5月14日に発表され発行済み株式数の1・11%にあたる50万株を上限に取得期限は来年3月29日。5月中に5900株が買い付けられて買い余力はまだまだ十分に残る。耐食性と防護性に優れる獣害防護柵が「熊対策」関連として注目された経緯も持つ。今27年3月期は前期比3・6&増収、1・3%営業増益、年10円配当継続見込みと派手さはないが、300円台のPBR(株価純資産倍率)は0・2倍と1倍を大きく割り込む割安水準にある。

 東証グロースのシノプス(4428=630円)の自社株買いは2月12日に発表され発行済み株式数の1・28%にあたる8万株を上限に取得期限は8月13日。5月中までに4万2000株の買い付けが実施されたが、買い余地はまだ残っている。小売り向け需要予測型自動発注ソフトを展開しこの分野では国内トップシェア。AI活用による、食品ロス削減、値引きソリューション、物流効率化にも貢献。今26年12月期は前期比14・9%増収、26・2%営業増益で連続最高益更新と業績も好調で、年間配当17円のうち6月中間配当8円の配当権利取りを控える。

(株価は9日終値、次回は三枝裕介氏です)