東京女子医大の新校舎建設工事をめぐり、建築士に不正な報酬を支払わせ大学に損害を与えたとして背任罪に問われている元理事長の岩本絹子被告(79)の初公判が12日、東京地裁(福島直之裁判長)で開かれた。岩本被告は起訴内容を否認し、無罪を主張した。
岩本被告は黒色のジャケットに紺色のパンツ姿で入廷。かつて高級ブランドに身を包み、女帝と呼ばれた岩本被告だが白髪でボサボサの髪を1つに束ね、足元はピンクのゴムサンダルを履いていた。証言台に立ち、裁判官から職業を問われると「医師です」としっかりとした口調で答えた。
起訴状によると、岩本被告は2018~21年にかけて1級建築士の松丸典義被告(70=同罪で公判中)、大学の経営統括部次長だった森洋美被告(53=同罪で公判中)と共謀し、新校舎建設工事をめぐり松丸被告にアドバイザー報酬を支払う際に自身への還流分を上乗せするなどして大学に計約2億8000万円の損害を与えたという。
起訴内容について問われると岩本被告は長文の意見書を読み上げ「背任行為はしていません」と否認。その中で「松丸建築士は大学に多大な貢献をしており、報酬は適正だった」と説明し、「私は無罪です」と主張した。松丸被告と森被告は2月の初公判で起訴内容を認めているが、岩本被告はきっぱりと否認した格好だ。
検察側は冒頭陳述で松丸被告が受け取った報酬から税金分を差し引いた上で3分の2の金額計約8700万円が岩本被告に渡ったと指摘。公判中、岩本被告は手元のノートにメモを取り続けていた。
岩本被告は14年に副理事長、19年に理事長に就任。一時、経営難となっていた同大の経営立て直しに取り組んでいた。「大学では女帝として恐れられ、誰も口出しができない状態でした」(捜査関係者)
法廷でも女帝ぶりを貫くようだ。












