またニセ警察詐欺に狙われた。埼玉・上尾市議の佐藤恵理子氏が、今月2度にわたって、警察官を名乗る者から不審な電話がかかってきたことを明かした。1年前にはニセ警察官による特殊詐欺被害に遭っていたが、今回は撃退に成功。その一部始終を聞いた。

 最初に着信があったのは21日。姫路警察署を名乗る者から使用するクレジットカードがマネーロンダリング(資金洗浄)に使われている可能性があるとの説明を受けた。また、27日に姫路警察署から連絡を受けたという兵庫県警のシラコと名乗る者から着信があった。

 佐藤氏は昨年6月に愛知県警を名乗る男から自身の銀行カードが別の犯罪で不正利用され、犯罪収益隠匿罪での逮捕を告げられ、LINE通話で、公開していない住所が記されたニセの逮捕状を見せられた。身の潔白を証明するために「容疑者とやりとりしていなければ、振り込み操作をしてもエラーになる」と男の言うがままに30万円を振り込んでしまい、ドロンされた苦い過去がある。

 約1年ぶりの不審電話で佐藤氏は「とにかくもう被害者にはなりたくない」と、対応は慣れたものだった。21日の電話には容疑を切り出される前に「資金洗浄されたとかいうのですよね。ないです」と否定。その後、ニセ警察官を質問攻めし、「足を洗うことが大事なんじゃないか」と諭した。

 27日の電話ではニセ警察官が「これからお伝えする内容は現在捜査中の事件で、佐藤さんにも関係がある大事な内容。情報漏洩の観点から第三者がいない環境を確立したうえで」と執拗に1人であることを確認してくると、「これからお昼なのでウーバーイーツか出前館を頼もうかな~。どちら派ですか?」と話をそらし続けた。

 緊迫事態にも動じない佐藤氏にニセ警察官は「出前じゃないですよ。大事な電話をさせていただいている。ウーバーにしてください」と面食らった様子だった。その後ものらりくらりとかわす佐藤氏に話は通じないとあきらめたのか、ニセ警察官は自ら電話を切っていた。

 昨年は電話番号の末尾が警察を装う「0110」から着信だったが、今回は細工はされずに普通の番号だったという。佐藤氏が警察に情報提供したところ同様の相談電話が殺到しているとのことで、国際電話を遮断する警視庁公式の防犯アプリ「Digi Police(デジポリス)」の活用を勧められたという。

 警察庁によれば、昨年のニセ警察詐欺の認知件数は1万1014件で、被害額は約1005億円に上る。被害者は30代が多いが、既遂1件当たりの被害額の大きさは60代、70代が突出している。28日には大阪府内の70代女性が約4億4300万円をだまし取られた事件も判明した。

 警察庁は「『+』から始まる国際電話番号から電話をすることはない。SNSで連絡したり、警察手帳や逮捕状の画像を送ることはない。振り込みや出金を指示することはない」と注意を呼び掛けている。

 佐藤氏は今回の2件のやりとりを録画していて、自身のXで公開した。「今はだいぶ特殊詐欺だと分かっている人も多くなったが、それでもだまされる人がいるから電話してくる。被害が減って、(私みたいに)『またかかってきたよ』と言えるぐらいになってほしい」と詐欺団の撲滅を訴えた。