王者の足元で、故障禍という見えない重圧が膨らんでいる。ドジャースは21日(日本時間22日)現在、31勝19敗でナ・リーグ西地区首位に立つ。世界一3連覇の最有力候補という評価は揺らいでいないが、内情は決して楽ではない。
ブレイク・スネル投手(33)は左肘内の遊離体除去手術で離脱し、復帰は早くても7月以降の見通し。タイラー・グラスノー投手(32)も腰のけいれんで負傷者リスト入りし、救援陣ではジャック・ドライヤー投手(27)が左肩違和感、ブルスダー・グラテロル投手(27)が肩と腰の不安で戦列を離れている。野手側でもトミー・エドマン内野手(31)が足首、キケことエンリケ・ヘルナンデス内野手(34)が左肘手術からの復帰途上。首位チームでありながら、台所事情は綱渡りだ。
米老舗誌「スポーツ・イラストレイテッド」電子版「ON SI」は、そんな状況下でアンドリュー・フリードマン編成本部長(49)が地元有力紙「ロサンゼルス・タイムズ」に本音を漏らしたことを紹介。「ケガのタイミングがもっと分散していれば、対処ははるかに簡単だった」と語り「ケガは試合の一部」と受け止めながらも、重なり続ける離脱に苦しい胸中をにじませた。
8月3日(同4日)に迫るトレード期限へ向け、ドジャースには低迷するアストロズのヨルダン・アルバレス外野手(28)を狙う大型補強案も浮上している。アルバレスは今季、打率3割3厘、15本塁打、31打点、OPS1・017をマークする破壊力十分の大砲。2017年ワールドシリーズの因縁を残す相手から主砲を引き抜く構想は、夏の市場を騒然とさせる材料だ。
ただしフリードマン氏の憂鬱を足元で救っているのは、補強リストの名前だけではない。大谷翔平投手(31)だ。同サイトは大谷の歴史的な二刀流ぶりにも注目し、投手として49イニングで防御率0・73、54奪三振、13四球という異次元の数字を紹介。打者としても5月序盤に苦しみながら、21日現在で打率2割7分2厘、出塁率3割9分9厘、長打率4割8分6厘、OPS・885、8本塁打、26打点を残している。
先発陣が欠ければマウンドで穴を埋め、打線が沈めばバットで流れを変える。大谷は「投」と「打」の主力を同時に担いつつ事実上、2人分以上の重みを背負っている。王者の余裕に見える首位戦線の裏側で、実際には大谷の奮闘がドジャースの危機を覆い隠している格好だ。故障禍か、補強か、二刀流か。3連覇を狙う名門の命綱は、今も背番号17の両腕とバットに握られている。












