エンゼルスに久々の「荒れた空気」が戻ってきた。マイク・トラウト外野手(34)が5日(日本時間6日)、本拠地エンゼルスタジアムでのマリナーズ戦の8回に、ケーシー・レグミナ投手(28)の94.2マイル(約151キロ)の直球を左手に受けて途中交代。試合は延長11回の末に8―7で競り勝ったが、スタンドの怒りはそれ以上に熱を帯びた。その詳報をインド系の米メディア「スポーツキーダ」も克明に伝えている。

 トラウトは同カード初戦でもブライアン・ウー投手(26)に内角球を左肩に受けており、同一3連戦で2度の死球。ファンがヒートアップしたのも無理はない。しかも相手は同じア・リーグ西地区のマリナーズだ。トラウトは試合後、「あそこをコントロールできないなら投げるべきじゃない」といら立ちを隠さなかった一方で、骨折ではなかったことには安堵。X線検査は陰性で、カート・スズキ監督(42)も「打撲。あす様子を見る」と説明した。

 ただ、トラウト本人は当初そのまま出場を続けようとしており、腫れ上がった左手でベンチに下がる姿には、近年けがに泣かされ続けてきた主砲の危うさと執念が同時ににじんでいた。昨季も左膝の骨挫傷で26試合を欠場しているだけに、球場全体が過敏になるのは当然だった。

 それでも今年のエンゼルスには、単なる〝またか〟では終わらない熱がある。この日は延長11回の末に競り勝って5勝5敗とし、地区2位で首位アストロズに1ゲーム差。低迷が続いた近年なら、こうした一戦は重苦しく流されていたはずだが今は違う。

 トラウトが倒れれば本拠地が怒り、チームが粘れば球場が沸く。その過剰なまでの反応は、裏を返せば「今年は違うのではないか」という期待の表れでもある。同地区ライバルとの3連戦で主砲を巡って感情がむき出しになるあたりにエンゼルスの2026年が、ようやく勝負の季節に入りつつあることが透けて見える。