日本ハムが抱える〝難題〟は、敗戦の夜にも消えなかった。1日のロッテ戦(エスコンF)でチームは2―4で競り負けたが、途中出場した野村佑希内野手(25)が2安打を放って存在感を示した。打線が開幕から好調を維持する中で、結果を残し続ける8年目の生え抜き野手をどう生かしていくのか。新庄剛志監督(54)にとって、悩ましいテーマはむしろ深まっている。

 今春キャンプで指揮官は、昨季「開幕4番」を務めた野村に「二塁コンバート」を打診。本職の一塁、三塁では清宮幸、郡司がレギュラー争いを引っ張っており、手薄とみられた二塁や左翼も含めた新たな持ち場で出場機会を広げる構想を描いていた。

 ところが、開幕が近づくにつれて状況は変わった。二塁では新加入のカストロが攻守で存在感を発揮し、左翼では水谷が持ち前の打力で猛アピール。オープン戦14試合で打率3割8分7厘を残した野村は、好調を維持しながらも開幕ベンチスタートを余儀なくされた。

 それでも、野村は3月28日のソフトバンク戦(みずほペイペイ)で「6番・左翼」として今季初先発し、第1打席で左翼へ今季1号を放つなど2安打1打点を記録。本来なら継続起用を考えたくなる内容だったが、守備面との兼ね合いもあり、翌29日からは再び3試合連続でベンチスタートとなった。打っているのに固定し切れない。この現実が、首脳陣を腐心させている。

 もっとも、新庄監督は野村の性格も特性も把握している。代打や途中出場より、スタメンでこそ力を発揮するタイプだと理解しているからだ。開幕前にも、野村を含めたポジションが重複する選手たちの起用法について問われると「もう(監督)5年目だから。選手のことはわかっている。ただ、どう使うかは僕の仕事。まあ、シーズンに入ったら(悩んで)寝れんけどね」と苦笑いを浮かべながら語っていた。

 その言葉通り、開幕直後から難題は現実のものとなっている。打線全体が勢いを保ちつつ、野村もまた結果を出し続けているからだ。この日のロッテ戦でも、レイエスに代わる代打で2安打をマーク。しかも、そのレイエスは左足かかとに不安を抱えている。起用の選択肢が広がる一方で、誰をどこで使うかはさらに難しくなる。打てるのに定位置がない野村を今後どう生かしていくのか。新庄監督の選手操縦術に、ますます注目が集まりそうだ。