日本ハムが開幕早々、窮地に立たされている。

 シーズン前の下馬評では「優勝候補筆頭」と目されながら、敵地でのソフトバンク開幕3連戦はまさかの3連敗。しかも自慢の先発3本柱(伊藤、達、有原)がそろって5失点以上を奪われる〝投壊〟での敗戦だった。

 そんな惨劇を目の当たりにしただけに、新庄剛志監督(54)も29日の試合後は「もうね、伊藤君、達君、有原君に投げてもらって…」としょんぼり。その上で「この3連敗があったからテッペン(リーグ優勝)をとれたというシーズンにしていきたい」と前を向いた。

 シーズン開幕前の指揮官の脳裏には敵地で宿敵ソフトバンクに3連勝。その勢いで31日から始まる本拠地6連戦に臨みたかったはず。その望みが最悪のシナリオとなったのだから、チームへの衝撃は計り知れない。

 だが、そんな沈滞ムードが漂うチーム内で一人、この苦境を「好機」と捉えているのが、31日のロッテ戦先発に抜てきされた細野晴希投手(24)だ。

 昨季登板6試合でプロ初勝利を含む3勝を挙げた左腕は、今春キャンプこそ一軍スタートも先発投手陣内での序列は伊藤、北山、達、有原、加藤貴、山崎、古林に次ぐ存在。先発ローテーション「最後の1枠」を争う一人にすぎなかった。だが、キャンプで順調な調整を続け、練習試合からは好投を連発。シーズン前最後の登板となった14日のオープン戦(対巨人、東京ドーム)でも6回途中103球を投げ、5安打1失点(7奪三振)で白星を挙げた。

 この好投が首脳陣の目にとまり、大役を任された。細野にしてみれば、先発ローテに食い込む千載一遇のチャンスであるばかりか、チームの連敗を止める好投なら一気に球界注目の存在になれる可能性すらある。

 そんな好条件がそろう今回の登板だけに、本人も不敵な笑みでこう語る。

「僕自身、今年はすごく(投球に)手応えを感じていたので。(首脳陣から告げられた時は)うれしかったです。自分が投げる景色はもう想像できているので。今回を機に先発ローテ入り? もちろん。1年間通して一軍で投げるつもりでいます」

 プロ入り直後は制球難だったが、新庄監督も「今、そういうイメージは全くない。いつ投げさせても大丈夫でしょう」と目を細める。2023年ドラフト1位は、チームを待望の今季初勝利に導けるか。日本ハムの「救世主誕生」に期待がかかる。