日本ハムが開幕カード第2戦(対ソフトバンク=みずほペイペイ)から先発ローテーション変更に踏み切った。この〝急変〟にチーム内外から注目が集まっている。

 昨年11月に行われた球団のファン感謝イベントで、新庄剛志監督(54)が今季開幕カードの先発に伊藤、北山、達を指名。昨年末にソフトバンクから有原が加入すると、今度はその有原を「本拠地開幕戦で先発させる」と3月31日に行われる本拠地初戦のロッテ戦(エスコン)に登板させることを明言した。

 この指揮官の相次ぐサプライズ発表により、チーム開幕4戦の先発投手は確定と思われたが、27日に発表された開幕カード第2戦の先発は3戦目が予告されていた達。これで一気に日本ハムの先発ローテは混迷を極めることになった。

開幕2戦目に〝繰り上がり先発〟となった日本ハム・達孝太
開幕2戦目に〝繰り上がり先発〟となった日本ハム・達孝太

 シーズン前の予告を直前で変更することはルール違反ではない。だが、ファンサービスを重んじる新庄監督が予告通りに動かなかったのは意外だろう。なぜ周囲を欺いてでも指揮官はローテ再編に動いたのか。背景には新庄監督の今季にかける「覚悟」が垣間見える。

 実は新庄監督は伊藤、北山の両先発をWBCに送り出した春季キャンプ中盤時点で、先発ローテ変更の可能性を示唆。不測の事態に備えるよう、全ての先発投手陣に準備を整えておくよう指示していた。狙いはもちろん「危機管理」の一環で伊藤、北山がどんな状態で戻ってきてもチームの開幕ダッシュに影響させないため。

 ここ2年、リーグ2位とあと一歩で優勝を逃している新庄監督は、今季こそナインを頂点に導くことを宣言している。そのためにはどんな手を使ってでも状態の良い選手を優先させ、勝利の可能性を高める。そんな決意を持って臨んでいるからこそ、指揮官は周囲の雑音や前言にこだわらず、柔軟に動いているのだろう。

 27日に行われた宿敵ソフトバンクとの開幕戦は5―6で惜敗。黒星スタートを強いられたが、新庄監督は「今シーズンはこういう(僅差の)戦いがずっとあると思うので」と敗戦を引きずらず、気持ちを一新。その上で北山に代えて第2戦の先発を達に託したことについては「北山君はあまり向こう(WBC)で投げていなかったので。いきなりはあれかなと思って。で、達君に」と説明した。

 昨年以上に「勝利至上主義」を貫き、前を向く新庄監督。開幕白星はならなかったが、指揮官がこの姿勢なら今季の日本ハムは期待どおりの成績を残すはずだ。