侍ジャパンの菅野智之投手(36=ロッキーズ)が8日、WBC1次ラウンドC組のオーストラリア戦(東京ドーム)に先発し、4回4安打無失点の好投で準々決勝進出に大きく貢献した。
2024年まで巨人に在籍した右腕にとっては、503日ぶりの古巣本拠地での登板。マウンドでは終始冷静な表情を浮かべていたが、NPB球団の関係者は菅野の強心臓ぶりに舌を巻いている。
というのも、侍ジャパンのメンバーとして正式発表されたのは1月中旬。昨季終了後にオリオールズからFAとなり、無所属のまま選出されていたからだ。前出関係者は「どこの球団にも属していない中でWBCに出るのは不安だったと思うが、それをみじんも感じさせないのは菅野のメンタルが強い証拠。技術だけではなく精神面もメジャーでのプレーを経て、より鍛えられたのでは」と推測した。
しかも、今季から本拠地となるロッキーズのクアーズ・フィールドは標高約1600メートルの高地にある。空気抵抗が少ないため打球は飛びやすく、変化球は曲がりづらくなる〝投手泣かせ〟の球場だ。ましてや春季キャンプなどを通じて、新たな仲間たちと意思疎通も図りたかったはず。新たな環境に慣れる時間を侍ジャパンにささげる形で、再び日の丸のユニホームに袖を通した。
すべては日本代表のWBC連覇、そして自身初となる国際大会の優勝へ――。「チームのために自分の与えられた役割をまっとうし、団結して世界一を勝ち取りたい」との言葉通り、この日投じた50球には菅野の覚悟が込められていた。













