WBC日本代表は8日のオーストラリア戦(東京ドーム)に4―3で競り勝ち、1次ラウンドC組を1位通過、6大会連続となるベスト8進出を決めた。天皇皇后両陛下と愛子さまが観戦された天覧試合で大谷翔平(31=ドジャース)は3打数無安打、2四球(敬遠1)だったが、歴史的な一戦を盛り上げた。その大谷の爆発ぶりには他のライバルチームもひれ伏すばかりで、もはや人間扱いすらしてもらえなくなってきている。

 侍ジャパンの快進撃が止まらない。1点を追う7回に吉田(レッドソックス)の逆転2ランが飛び出し、8回は代打・佐藤(阪神)の適時打と鈴木(カブス)の押し出し四球で2点を追加。9回の反撃も何とかかわし、無傷の3連勝でトップ通過を確定させた。

 この日の大谷から快音は聞かれなかったが、3試合で打率5割5分6厘、2本塁打、6打点と恐るべき成績。マイアミで行われる決勝ラウンドで対戦する可能性があるライバルチームは、早くも〝完全降伏〟しつつある。

 東京ドームにはドミニカ共和国やプエルトリコ代表のスタッフも「先乗りスコアラー」として来場。日本代表の1次ラウンドの戦いぶりを視察し、データの収集や分析に奔走した。しかし、目の前で繰り広げられたのは他を圧倒する圧巻プレーの数々。分かっていたこととはいえ、やはり別格に映ったようで中南米からやって来た偵察部隊も「彼は本当に人間か?」と目を白黒させるばかりだ。「対策? ない」と言い切り「あるとしたら神に祈るぐらいしか…」とお手上げ状態だった。

 ドミニカ共和国のスコアラーは「だってそうだろ? 彼はドミニカで言えば打撃は〝ビッグパピ〟、投手ではペドロ。その両方をMLBでやってしまっているわけで…」とポツリ。ビッグパピとはMLB通算541本塁打をマークしたデビッド・オルティス氏(50)の愛称で、通算219勝を挙げたペドロ・マルティネス氏(54)は史上最高の投手の一人として広く知られている。

 2人がつけた背番号はレッドソックスで永久欠番となり、母国では国民的英雄としてリスペクトされている。その伝説的な「打」と「投」の両方を一人でこなし続ける大谷は、現地でもあり得ない存在として受け止める人もいるという。

 大谷は今季でMLB9年目。ドジャースでの活躍はもちろん伝えられているが、あまりにも現実離れしているため、現地の野球ファンの間では〝ロボット説〟も流れているという。

 前出のスコアラーは「もちろん、私はそうは思わないけど」と前置きした上で「ミーハーな野球ファンは、大谷が日本のコンピューター技術で作られた完璧な野球選手というロボットだという話を、いまだ信じている人もいる」と打ち明けた。

「彼は野球以外もとても真面目なんだろ? ドミニカにそういうメンタリティーはないから。ビッグマネーを手にしたらいい暮らしをして、いい車に乗って、いい女を連れて(笑い)。ドミニカだけじゃなくプロスポーツのトップ選手の特権だし、むしろそういう姿にみんなが憧れる」

 しかし、大谷には手にした名声をひけらかしたり、私利私欲に走るような姿は見受けられない。

 あまりにも完璧すぎるために「『ヤツは他の人と同じように小便をするのか? その小便は同じ色なのか?』とか、中南米では素朴な疑問を持つ人がいなくはないよ。それぐらい違う感じ」と説明する。

「クローンの研究者がいたら、彼の遺伝子は絶対に研究材料にするべきだよ」とまで言われた大谷。もちろん言うまでもなく、大谷は人間だ。〝万能型野球マシン〟にまで例えられた世界で唯一の才能が、間もなくマイアミで猛威を振るうことになる。