無双復活か。3月に開催される第6回WBCで、菅野智之投手(36=オリオールズFA)が無所属のまま日本代表に選出され、話題を呼んでいる。巨人時代には個人タイトルを総なめにしたが、不思議と縁がなかったのが「日本一」や「世界一」といった〝真の頂点〟。年齢的にも最後の国際大会となる可能性もあり、希代の負けず嫌いが「負け運」の屈辱も返上できるか、熱い視線を注がれている。
念願だったメジャー1年目の昨季はオリオールズで30試合に先発して10勝10敗、防御率4・64の成績。FAとなり、今季の所属球団が決まらないうちに2017年大会以来、9年ぶり2度目のWBC出場が決まった。
侍ジャパンが世界一を奪還した前回の23年大会は選外。大ベテランの域に達しての抜てきは衝撃を倍増させた。本人は「与えられた役割をまっとうし、団結して世界一を勝ち取りたい」と決意表明していたが、その言葉には並々ならぬ覚悟があると捉えられている。
「国際大会に出られるのは今回が最後になるかもしれない。それに本当の意味ではまだ勝てていない。智之もこのままじゃ終われないでしょう」(巨人関係者)
古巣では不動のエースとして5度のリーグ優勝に貢献し、個人として2度の沢村賞(17、18年)、3度のMVP(14、20、24年)、4度の最多勝(17、18、20、24年)などあらゆるタイトルを手中にしてきた。
しかし、チームが最後に日本一に立ったのは菅野が入団した直前の12年シーズン。在籍中は一度も日本一になれずに海を渡った。また、自身が出場した国際大会も15年のプレミア12は銅メダル、17年のWBCがベスト4。出場が決まり、侍ジャパンが金メダルを獲得した21年の東京五輪はコンディション不良のため代表を辞退していた。
数々の栄誉を手にしながら、最後に残されたのはいつも悔しさ。2年後の28年7月に開催されるロサンゼルス五輪では野球が2大会ぶりに競技復帰するが、菅野は39歳となるシーズンで代表入りできる保証はない。
日本球界屈指の実績を残しながら巨人時代は打線の援護に恵まれず、勝ち星を伸ばせなかった時期もある。そのため、人気ゲーム「パワフルプロ野球」ではかつて「負け運」なる特殊能力が搭載されたこともあった。
おじは言わずと知れた前監督の原辰徳氏(67)。試合に敗れようものなら赤鬼のごとく顔面を紅潮させた勝負の鬼だ。その負けん気の強さは菅野にも引き継がれ、ゲームのプロモーション映像の撮影中にもかかわらず「ちょっと待って。『負け運』って何?」と〝プチギレ〟したことは今も語り草だ。
今大会では世界最強スラッガー・大谷翔平投手(31=ドジャース)を筆頭に、超強力な援護が見込まれる。今度こそ真の頂点に立ち、〝無冠の帝王〟から卒業する。












