ソフトバンクのリバン・モイネロ投手(30)が来年2月の宮崎キャンプに参加せず、第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に臨むキューバ代表の活動に専念する方針であることが28日、分かった。かねてホークスはWBCの大会意義を理解し、協力的。愛国心の強い左腕とキューバ代表を後押しすることで、球団と互いの信頼関係はより一層深まりそうだ。

 前回大会4強入りを果たし、古豪復活の兆しを見せた「赤い稲妻」。チームの中心は、今季パ・リーグMVPに輝いたモイネロだ。2大会連続の躍進を目指す同国代表は、メジャーで活躍するキューバ系アメリカ人の招集を見送る方針で、鷹の絶対エースにその命運がかかっている。

 押しも押されもせぬ精神的支柱として、母国の機運を高める。代表入りが確実なモイネロは、1月から始まる強化合宿に参加。2月も国内合宿にとどまり、他国との強化試合を重ねながら3月上旬にプエルトリコ・サンフアンで行われるWBC1次ラウンドに照準を合わせるとみられる。

 今季ソフトバンクをリーグ連覇と日本一奪回に導いたモイネロは、2年連続で防御率1点台をマークして最優秀防御率のタイトルを獲得。NPBでも他を寄せつけない投手だけに、母国に勇気を与える存在だ。「日本で圧倒的成績を残している英雄。キューバでは大谷翔平(ドジャース)のような存在です。影響力の強い選手が、最初から最後まで帯同する意義は大きい」と現地の球界関係者は明かす。モイネロが年明けから継続して代表活動に専念することは、キューバにとって計り知れないメリットがある。

 ソフトバンクの宮崎春季キャンプ不参加は、モイネロに対する全幅の信頼があってこそ。モイネロも快く代表に送り出してくれる球団への忠義がさらに増すはずだ。看板選手だけに、ファンにとっては寂しいキャンプになりそうだが、忠誠心と責任感の強い左腕はたくましくなって福岡に戻ってくるに違いない。