令和から堂々の〝逆行〟だ。ソフトバンクの主力組が今オフも黙々と自主トレに励んでいる。

 本拠地のみずほペイペイドームには連日、周東や柳田らチームきっての主力勢が姿を見せ、汗を流している。ホークスに移籍してきた選手がチーム全体の練習量に目を見張るのはよくあることだが、「一生懸命やっているつもりではいたけど、それ以上に上の人たちの姿勢を見て、さらにやらないといけないと思わせてくれた」という声も飛び出すなど、主力の練習量の多さはある種の伝統になりつつある。

 そんな中で周囲の選手からも「やばい…」との声が漏れるのが、山川穂高内野手(34)が率いる山川組の練習量だ。秋広や育成の中沢などの若鷹たちは毎日のように5分間の股割り、両手で25キロの重りを抱えたままジャンピングスクワットでダイヤモンドを一周するなど、下半身を徹底的に鍛える膨大なメニューをこなしている。

 その練習量はホークス内でも特異で、選手はヘトヘトだ。主力選手の一人は「見ていたらもう言葉が出ないくらい…」と切り出し「白黒にしたら昭和の映像。南海ホークスにタイムスリップしたのかと思いましたよ」と目をパチクリさせるほどだった。

 現代ではスポーツ科学が進化し、練習にも効率化が叫ばれている。正解がない「質」か「量」かは常に議論の対象となるが、昭和の時代を彩った前身の球団名が飛び出すまでに原点に立ち返る内容だった。参加した選手は「感情を持ち込んだらできない。生きていられない」。感情を捨て、すっかり無の境地にたどり着いている様子だった。

 だが、まずは支配下登録を目指す中沢は「これだけやっているので。絶対に負けたくない」と語るように、湧き上がる闘志もまた一段と熱く、大きなものとなっている。

 リーグ連覇、日本一奪回を果たしても膨大な量の練習に明け暮れる鷹軍団。黄金時代を築くためにも鍛錬の日々は続きそうだ。