獣神サンダー・ライガーが気になる話題やプロレス観を語る「獣神激論」。今回は新日本プロレス来年1月4日東京ドーム大会で現役を引退する棚橋弘至(49)に〝ラストメッセージ〟だ。1999年4月の入門から棚橋を見てきたライガーが認める〝100年に一人の逸材〟のすごさ、そしてオカダ・カズチカとの引退試合に望むこととは――。
【ライガーが語る獣神激論(49)】来年1月4日東京ドーム大会の全カードが決まりましたね。本戦は全7試合ですが、来年のドームはいろいろなものがてんこ盛りって感じがします。
「へえ~」って思ったのがIWGPジュニア(現王者はDOUKI)はタイトルマッチじゃなくて挑戦者決定戦(エル・デスペラード、石森太二、SHO、藤田晃生の4WAY戦)なんだね。すごいメンバーがそろってるし、ぜいたくなことするなって思ったのが第一印象。ウルフアロン選手のデビュー戦(対EVIL)もあるし、IWGP世界ヘビー級王者のKONOSUKE TAKESHITA選手とIWGP GLOBALヘビー級王者の辻陽太選手のダブル王座戦もあるし、近年まれに見る豪勢なカードで、会社も試合順には頭を悩ませたんじゃないかな。
そんな中でメインは、やはり棚橋弘至選手の引退試合になりました。彼の引退試合が終わった後の喪失感は計り知れないし、ドーム全体にいろいろな感情が渦巻くと思う。その後に試合は組めないという、会社からの棚橋選手へのリスペクトという言葉に尽きますよね。
とにかく棚橋選手には燃え尽きてほしい。約26年のキャリアのすべてを出し尽くして「プロレス、ありがとうございました」という言葉が聞きたいね。一方でオカダ選手も責任とプレッシャーはものすごいものがあるけど、現役と引退していく人間の差を見せてほしい。
「何で引退するの?」「まだ早いんじゃない?」みたいな声は、僕は聞きたくない。棚橋弘至あっぱれで終わって、新日本プロレスが新しい時代に入っていってもらわないとならないわけだからね。
僕は引退試合(2020年1月5日、東京ドーム)で高橋ヒロム選手に負けて「やっぱり現役は強いな、かなわないな」「もうこれで終わりでいいな」と思うことができた。だからこそヒロム選手に感謝してるんだよ。棚橋選手にもそういう気持ちになってもらいたいし、それが引退ってものじゃないかな。美しく終わっているように見えても、スポーツをやっている人間なら誰しもが、厳しい現実を突きつけられる非情な瞬間を迎えるんだよね。
すでにチケットが完売して、アントニオ猪木さんの引退試合(98年4月)以来となる超満員の東京ドームが見られます。棚橋選手が最初に「愛してま~す!」と言い出した時のファンからは「チャラチャラしやがって、ふざけんなよ」みたいな声も少なくなかったと思うんです。でも、何年も続けていくうちに「これがないと締まらないよね」に変わってきた。これが棚橋弘至なんだよ。
ファンに笑われても自分を貫いて、見せつけてきた。この功績はすごいよ。もしも棚橋弘至がいなければ、新日本プロレスは最悪の場合も考えられたかもしれない。
引退後は社長として、僕たちが子供の時に見ていたプロレスブーム、それを上回るものを見せてほしいね。口で言うのは簡単で、実際にやるのはすごく大変なのは分かってる。でも、入門の時から棚橋弘至を見てきた僕としては、彼ならばやってくれると思ってます。













