全日本プロレス3冠ヘビー級王者の宮原健斗(36)が22日、後楽園ホール大会で3冠王座戦に臨み、挑戦者の潮崎豪(43)を下して初防衛に成功した。全日本とノアを行き来した潮崎に対し王座戦前には怒髪天だった宮原が、初防衛後には「出たり入ったりでいいじゃねえか!!」と真逆の主張。場当たり的にも思える発言の真意とは――。

 宮原はこの日、挑戦者の潮崎をシャットダウン・スープレックス・ホールドで下して初防衛に成功した。試合前の会見では9月末でノアを退団し11日の埼玉・行田大会で全日本に〝出戻り参戦〟した潮崎に対し「出たり入ったりベルトを返上したりユニットを野放しにする男が…。お前に3冠ベルトを近づけたくねえんだよ!」と因縁の深さを語っていた。

 しかし試合が終わってみれば「出たり入ったりベルトを返上したりユニットを野放しにしたっていいじゃねえか!」と大胆すぎる手のひら返しを行い潮崎をたたえた。取材に応じた宮原に翻意の理由を問うと「これは僕が狙ったことなんですよ。改めて日本のプロレスの良さをファンの人に気づいてほしかったんです」としたり顔。〝移籍や退団があるからこそ日本のプロレスは面白い〟というのが宮原の主張だ。

「日本で潮崎豪というのは今まで違う団体で見れたわけじゃないですか。でも全日本に上がるというだけでこれだけ文句を言われたりする。これが日本のプロレスの文化の面白いところ。団体が違うだけでそういうテーマができちゃうってことを僕はわざと提示したんです」と発言の真意を明かした。

 海外団体への移籍を偏重する時代の流れに一石を投じたい思いもあったという。「日本人選手が海外の団体に移籍したりして『海外の団体が一番なのかな』っていう風潮があったと思う。でも日本のプロレスってやっぱりすごいんですよ。毎日いろんな団体がやってるし、同じ日本の中なのに出戻りしただけでこれだけ盛り上がる。そういうシステムに誇りをもってやっていくべきだと僕は思いますね」と胸を張った。

 そんな宮原も今でこそ団体のエースだが、14年に健介オフィスから移籍してきた選手だ。V2戦(11月3日、札幌)では全日本プロレス〝真〟の生え抜き選手の大森北斗と激突する。宮原は「合宿所に住み込んだお前のプライドを見せてみろってこと」と新たなイデオロギー闘争を見据えていた。