広島・新井貴浩監督(48)が来季も指揮を執ることが決まった。3年目の今季は、9月までV争いやCS争いをした昨季とは一転、球宴前に早々とV争いから脱落。7月9日を最後に勝率5割を一度も上回ることなく、すでに5位以下も確定した。借金2の4位だった昨季から、数字上でも大きく成績を落とした想定外の失速は、いかにして起きたのか。
新井監督は常に、人格者だ。チームを「家族」に例え、選手はもちろん、球団のフロント関係者、現場の裏方スタッフ含め、文字通り全員と分け隔てなく接している。メディアに対しても同様で、就任以来どんなぶざまな試合でも「取材拒否」をしたことを見たことがない。
この雰囲気の中で就任3年目を終えた。ここにきてOB関係者から指揮方針等、あらゆるチームマネジメントにおいて「緩すぎるのでは?」という声も大きくなっているのも事実だ。
特に今季は2年連続Bクラスで、昨年よりも成績を大きく落とした。その種の声が大きくなるのは致し方のないところだ。全く同じことをしていたとしても「緩い、甘い」ととられる事象も、好成績となればマネジメントとして好采配となるのは〝結果が全て〟のプロの世界ならではだろう。
ただ、広島は現実問題、成果を出すまでには至っていない。となると、この部分も様変わりが求められるところなのかもしれない。CS消滅間際の9月。プロ入り時の恩師、入団1年目ではコーチと選手の関係で、当時の新井監督を徹底的に鍛えたOB大下剛史氏(80)と試合を見ながらその話題となった。
新井監督自身、現役時代はエリートではなく、むしろその逆。ドラフト6位入団から、練習に次ぐ練習で、球史にも名を残す名選手となった。これを踏まえての話だ。
「新井監督は12球団の監督で、誰よりも『できない選手』の気持ちが分かる監督だと思う。なぜなら自分がそうだったから。『なんでそんなこともできない』という指導は絶対にしないはず。できるまでやらせるか、できるようになるために『どうすれば?』を選手にちゃんと話ができるはず」とした上で続けた。
「それをやり切るためには当然、厳しさや激しさは必要。これは当たり前のこと。そもそも監督が言う以前に、周りのコーチが監督の意思を踏まえて選手と接していかないといけない。監督が選手と近い存在であるならば、コーチ陣は選手からは、煙たがれる存在でなければ成り立たない。監督が選手を奮い立たせるのか、あるいはコーチが自分が嫌われることもいとわず、選手の尻をたたく存在に徹するのか。今のカープにはそれがないから、ファンからも相手チームからもただの〝仲良しチーム〟にしか見られていない」
令和の世で〝厳格〟を貫くことは決して簡単なことではないかもしれない。それでも、就任4年目の来季は指揮官が掲げる「家族」の在り方にも変化が求められる年になることは間違いない。












