広島・新井貴浩監督(48)が来季も指揮を取ることが決まった。3年目の今季は、9月までV争いやCS争いをした昨季とは一転、球宴前に早々とV争いから脱落した。7月9日を最後に勝率5割を一度も上回ることなく低迷し、すでに5位以下も確定。借金2の4位だった昨季から、数字上でも大きく成績を落とした想定外の失速は、いかにして起きたのか。

 低迷を振り返る上で触れざるを得ないのが、7月だ。4勝16敗3分けの大失速。歯車が大きく狂ったのは、攻撃陣だった。23試合で総得点46。貧打線は自軍投手陣にも「失点できない」といった過度の圧力がかかる形となり、7月の与四死球数は81と激増した。ロースコアの展開に投手が持ちこたえることができず、ことごとく接戦を落とした。

 5勝20敗と失速した昨年9月とは、要因も異なる。投打のスタミナ切れといった選手に起因するものではなく、そもそも首脳陣のタクトがハマらなかった。

 打線は6月18~28日の中日戦まで上位6人全て同じ顔ぶれ。1番・大盛からファビアン→小園→モンテロ→坂倉→末包と左→右で組んだジグザグ打線は、2ケタ安打3試合、1試合平均3・8得点と一定の機能は見せていた。

 だが、さらなる得点力アップを目指した結果、逆に機能不全に陥った。特に6月5本塁打17打点、打率3割4分8厘と2番で機能していたファビアンを4番へ移したことが、完全に裏目に出た。7月は打率1割4分9厘、1本塁打6打点と状態が下降。加えて周囲もことごとく、要所でつながりを欠く打撃に終始した。

 ファビアンに代わる〝2番探し〟も迷走した。上本、末包、矢野、田中、中村奨、野間、菊池、中村健、羽月、大盛、二俣と実に11人を起用。だが、ファビアン以上の存在を見いだすまでには至らず。この間、得点能力も著しく低下。朝山・小窪の2人の打撃担当コーチはファビアンの2番復帰を複数回、提案したが、試合当日の打順について最終的な権限を持つ新井監督、藤井ヘッドは、ファビアンの中軸起用にこだわった。

 もっと早く方針を再転換していれば…。指揮官にとっても、今季の自らのタクトを顧みる上で、大きな反省材料となったはずだ。7月31日に再びファビアンを2番に戻すまで、8~15日、19日から球宴休みを挟んで30日まで2度の7連敗。7月は貯金2の2位で突入したが31日には借金10の5位まで転落した。この時点で首位・阪神とは15ゲーム差以上離された。目指したはずの7年ぶりVは、この時点で事実上、ギブ・アップを余儀なくされた。