メッツのピート・アロンソ内野手(30)が28日(日本時間29日)、今オフにオプトアウト行使に踏み切る上で契約を破棄し、フリーエージェント(FA)権を行使すると表明した。ニューヨークを本拠地とする球団の象徴的存在が市場に出る決断を下したことで、早くも移籍先候補として浮上しているのが同じNYの「ライバル」であるヤンキースだ。

 米メディア「クラッチポイント」は同日、元MLB投手でアナリストのダン・プレサック氏が「ヤンキースの一塁に立つアロンソは35本塁打、100打点をたたき出す姿が容易に想像できる。ピンストライプのユニホームが似合うだろう」と発言したことを紹介。メッツが昨オフにソトら大物選手と巨額契約を交わすなど大型補強を敢行しながらも結局のところ失速し、今季はポストシーズンを逃すという〝屈辱の結末〟を迎えた一方で、ヤンキースはワイルドカードを手にした。ニューヨークの覇権争いの構図が、アロンソ移籍のウワサをさらに熱くしている。

 ただし同記事は「ヤンキースが本当にアロンソを必要としているのか」という疑問符も投げかけている。ヤンキースは今季849得点とMLBトップの得点力を誇り、すでにリーグ最多本塁打を記録。補強の優先順位としては一塁ではなく、むしろブルペンや中軸以外の打線強化に目を向けるべきとの見解も強い。現有戦力のライスは24本塁打、63打点を挙げ、2・8ものWARをマーク。2031年まで球団契約下にある有望株で、若返りを進めるヤンキースにとって手放せない存在となっている。

 アロンソは今季も打率2割7分2厘、38本塁打、126打点、OPS・871と中軸としての力を証明済みだ。だが、ヤンキースの編成方針やチームバランスを考えれば「魅力的だが必須ではない補強」となる可能性が高い。前出の「クラッチポイント」も「必要なポジションを完全には満たしていない」と指摘しており〝アロンソ争奪戦〟におけるヤンキース参戦は「決して既定路線ではないし、最善策とも思えない」と強調している。

 ニューヨークの二大球団を股にかけた大物FAの去就は、この冬の移籍市場最大の注目テーマのひとつ。アロンソがピンストライプに袖を通す日が来るのか、それとも別の舞台を選ぶのか――。NYのファンは固唾をのんで見守っている。