阪神・石井大智投手(28)が26日の中日戦(甲子園)の9回に5番手として救援登板し、打者3人を空振り三振、空振り三振、右飛。圧巻の三者凡退で球団新記録となる48イニング連続無失点を達成し、2006年に藤川球児監督(45)が記録した47回2/3を上回った。

 現職の指揮官として、教え子に自身のレコードを塗り替えられた藤川監督は「これほどうれしいことはない。自分も指導者として自負できる。ベスト・キッドのよう」と空手師弟物語の名作ハリウッド映画を引き合いに出しながら満面の笑み。「もしかしたら自分は、いい指導者なのかもしれない(笑い)」と珍しくテレビインタビューでドヤ顔まで披露した。

 リーグ制覇決定翌日の9月8日に石井の登録を抹消し、2週間以上のオーバーホール期間を与えた判断が今回も吉と出た。教え子による記録更新は指揮官着任当初から「肩肘は消耗品」と説き続け、時代に即した連投忌避とコンディション維持に腐心し続けた藤川流マネジメントのたまものだ。

試合後、藤川監督(左)にねぎらわれる阪神・石井大智
試合後、藤川監督(左)にねぎらわれる阪神・石井大智

 石井本人もこの日の登板を終え「昔と違い僕は、リフレッシュさせてもらった上で万全の状態で投げているので。藤川監督の記録とは比較にはなりません」とボスへの敬意と感謝を強調した。

 10月15日に開幕するCSファイナルステージ(甲子園)へ向け、ブルペン陣の再整備とリフレッシュは現在の猛虎の重要な課題だ。今季ここまで中継ぎ陣を支えてきた桐敷、湯浅らは9月以降状態を落としたこともあり、現在はファームで休養中。万全の状態でポストシーズンを迎えさせるため英気を養わせている。

 リーグ最多の65試合に登板し、最優秀中継ぎ投手のタイトルを狙う及川は現在も一軍に帯同中だが、23日のDeNA戦(横浜)では打者1人のワンポイント起用にとどめ、わずか6球でHPをマークさせるなど、負担を最小限にとどめる配慮も徹底している。

 米球界で得た知見などもフル活用し、自軍戦力の「最大機能・最少負担」に取り組む新時代の虎指揮官。3手先、4手先まで布石を打ちながら、球界の頂点を見据えている。