阪神・及川雅貴投手(24)が23日のDeNA戦(横浜)に3番手として救援登板し、17戦連続となるホールドをマーク。2005年の藤川球児(阪神)と15年のバリオス(ソフトバンク)が記録したNPBレコードに肩を並べた。

 この日の役目は7回先頭の左打者・林に対するワンポイントリリーフ。変化球主体の配球でフルカウントまで追い込むと、最後は内角を厳しく突くカットボールで空振り三振に料理した。わずか6球でお役御免となった左腕は今季51個目のHPも手にし、最優秀中継ぎのタイトルを争う大勢(巨人)に1差と肉薄した。

 今季でプロ6年目。芽が出そうでなかなか出なかった過去5年間の雌伏の日々を経て才能を一気に開花させた左腕は、ここまでセ・トップの65試合に救援登板し防御率は驚異の0・89。球史に自身の名を刻んだ実感を「まだ通過点ですが」と冷静に受け止めつつ「いろいろな人に助けてもらって達成できた記録」と味方ナインたちに感謝と敬意を示した。

 及川本人は、今季の大きな飛躍の要因を「これまで積み重ねてきた点と点が線になってつながった結果」と自己分析する。アマ時代も含めた短くはないキャリアの中で、数えきれないほどのドアをノックしてきたからこそ、「火の玉右腕」と呼ばれた伝説のクローザーが高卒入団7年目に樹立した記録に1年早く追いつくことができた。

 その一つとして具体的な効果を実感しているのは昨オフから新たに着手した陸上競技のメソッドを取り入れた自主トレだ。最も原始的でシンプルな競技だからこそ、ドアの向こう側に広がっていた森は奥行きがあり豊穣(ほうじょう)そのもの。「下半身のアップのルーティンはこれまでとはガラリと変わりました。筋肉の各部位への理解も深まったことで、自分の大きな課題だった再現性の向上にもつながった」と左腕は語る。

 本業とは異なる種目のノウハウを柔軟に咀嚼(そしゃく)→吸収→活用できた背景には「これまで積み重ねてきたトレーニング知識があったからこそ」と及川は胸を張る。もう一度繰り返すが、まだ24歳。伝説のリリーフユニット・JFKの一角として大ブレークを果たした「あの時の球児」よりも1歳若いことを忘れてはいけない。

ファンにあいさつする藤川監督
ファンにあいさつする藤川監督