中日・中田翔内野手(36)が19日の引退試合で18年間のプロ野球生活に幕を降ろした。
セレモニーでは日本ハム時代の恩人・稲葉二軍監督、恩師・栗山英樹CBOからサプライズで花束を渡され感涙していた中田だが、その引退を静かに受け止めていたのが同じ日本ハムの山田正雄スカウト顧問(81)だった。
同顧問と中田の縁は2007年のドラフトで自身がスカウト部長として中田を1位指名(当時の高校生ドラフト)した時から始まった。
山田顧問は「僕のところにも連絡がありましたよ。彼が日本ハムを離れた後も、時々メールのやりとりをしていたので『今年で引退します。19日に引退試合があります』と。そういう恩や情は失っていなかった」としながら中田との思い出を語った。
「まず当時はスカウト部長でしたから、中田の性格を見極めるために何度も(大阪桐蔭に)練習を見に行きましたよ。言われているように本当に(素行が)根から悪いのかどうか。指導者も含めて周りが遠慮している感じはありましたけど、寮長の話などを聞いていると全然そんなことはなかった。かわいいところもあって、根っからのワルという感じではなかった。僕らも含めて、周りがフォローしていけば問題ないという判断でした。当時、ウチにはダルもいましたから(笑い)」
こう言って山田顧問は「実際、中田は人に恵まれましたよね」と日本ハム入団後のダルビッシュ、稲葉現二軍監督、栗山英樹CBOや外野手としての手ほどきを受けた清水雅治外野・守備コーチ(現ファーム総合コーチ)らとの出会いを語った。
「人の話をちゃんと聞ける素直さがないと、周囲の人間も真剣に中田に関わろうとは思わないし、本人も伸びていかない。入団して3年間は苦労したけど、二軍で圧倒的な結果(30本塁打、95打点)を残して一軍で徐々に結果を出して行った。結果を出して行けば、周囲に対して恥ずかしいことはできなくなる。立場が人を作っていくんですね」
こう中田と関わってきた18年間を振り返った山田顧問は、今後の中田についてもこう語った。
「やっぱり野球には関わっていくんだろうと思うんだけれど、僕は彼は指導者向きだと思いますよ。監督は分からないけど、本人はバッティングコーチとかをやりたいんじゃないかな。自分も苦労してきたから引き出しも多いだろうし、見ていると若い子が中田のところに結構聞きに来ている。面倒見もいい。しばらく野球を外から見て、やっぱり自分には野球しかないとまた真摯にそこに向き合って、先入観を持たない誰かから声が掛かれば…。今のウチの監督がそうじゃないですか」
新庄剛志監督を誕生させた日本ハムならではの柔軟な中田翔監督への言及だった。
(聞き手・構成=伊藤順一)













