セ3位の巨人が17日のヤクルト戦(神宮)に4―2で勝利。連敗を2で止め、勝率を再び5割に戻した。また、この日の試合前には山口寿一オーナー(68)が阿部慎之助監督(46)の来季続投を明言。3年契約の最終年を迎える指揮官にとっては巻き返しを目指す1年となるが、その前途は今季以上に多難だ。

 投打で粘り強さを見せた。2回にリチャードの11号同点2ランが火を噴き、試合を振り出しに戻すと3回には泉口の犠飛で勝ち越しに成功。援護をもらった先発の戸郷も6回2失点で7勝目をつかみ、接戦を制した。

 阿部監督にとっては「景気づけの白星」となったかもしれない。この日の試合前、都内のホテルで行われた12球団オーナー会議に参加した山口オーナーは、会議終了後に報道陣の取材に対応。リーグ優勝した阪神に独走を許した今季の巨人に対し「誠に残念だよね。優勝争いさえできなかったっていうことだからね。そこは大変残念というか、ファンの皆さんには誠に申し訳ないですね」と落胆の色を隠さなかったが「来年はもちろんね、立て直してもらうということです」と続け、阿部監督の続投を明言した。

 就任1年目でのリーグ制覇を果たした昨季以来のV奪回を狙う来季の阿部巨人。だが、その道のりは依然として過酷なものとなる。

 チーム関係者は「今季は開幕から絶不調だった戸郷には、完ぺきに来季復活できるのかという不安がまだぬぐえない。その上、岡本も早ければ今オフにメジャーへ移籍する可能性がある。そうなれば…3年目の阿部体制は投打の〝飛車角落ち状態〟で迎えなければならない」と懸念事項を指摘した。

 昨オフには岡本の将来的なMLB移籍を見据える補強のため、国内FA権を行使した阪神・大山の獲得を目指したものの失敗。ここまで16本塁打の新助っ人・キャベッジや、ソフトバンクから今季途中加入でキャリアハイの11本塁打をマークしているリチャードが奮闘しているとはいえ「コンスタントに結果を残せる大砲の獲得は急務」(前出の関係者)となっていることは間違いない。

 加えて今季終盤に離脱者が相次いでいる先発陣の再整備も未解決のままとなっており、問題は山積みだ。実際、山口オーナーも主力の離脱が相次いだ今季のチーム事情について一定の理解を示しながらも「いろいろありましたけれどもね。だけども、それはどこのチームでも起きることでそれは仕方のないことですよね。それも乗り越えてかなきゃいけないわけだからね」と実にシビアな評価を下している。

 しかしながら、どんな苦難が待ち受けていようともV奪回は来季の至上命題。阿部監督も「(山口オーナーに)そう言っていただいたのでね。まずは2位を死守するためにまだまだ最後まで頑張りたいなと思います」と勝って兜(かぶと)の緒を締めたが、果たして荒波を乗り越えることはできるのか。