女子プロレス「マーベラス」のエース・彩羽匠(32)が9月6日に西鉄ホールで行われる福岡大会を前に、熱い胸の内を語った。福岡出身で剣道の有力選手として大学へ進学したものの、憧れの長与千種との出会いで一転、プロレスの道へ。けがによる長期欠場やNetflixドラマ「極悪女王」の指導経験も経て、今も「プロレスに取りつかれている」と言われるゆえんを自ら語り尽くした。
――周囲からはどう言われている
彩羽「プロレスに取りつかれている」とよく言われます(笑い)。普段はフワッとしているけど、リングに上がると変わる。最近、分かってきたのは多分プロレスの考え方が人と少し違うのかなと。自分でも試合の先の先まで考えてしまう癖があるので、そのあたりがそう見えるのかも。
――プロレスにのめり込むきっかけは長与千種との出会いとか
彩羽 そうです。当時は福岡の大学で剣道をしていた。高校も大学も剣道の推薦で入ったけど、本当は高校卒業時からプロレスラーになりたかった。でも周りから「大学ぐらいは行きなさい」と言われて一応進学したけど、「長与千種ってどんな人なんだろう」と気になって仕方がなかった。髪切りデスマッチをリングでやっていた長与さんの強さや覚悟を、どうしても自分の目で確かめたかった。当時は先輩の親から借りたVHSテープを見まくっていた。
――どうやって会う機会をつくったのか
彩羽 親に「全国大会の選抜メンバーに入ったら会わせてあげる」と言われたので、4学年で5人しか選ばれない1年生では無理と言われていた選抜に必死で挑戦した。見事に入れて長与さんのお店にアポを取って会いに行きました。
――初対面の印象
彩羽 オーラがすごすぎて、何も話せなかったけど、その瞬間に大学を辞めてこの世界に行くと決心がつきました。
――デビュー当時と比べて一番変わった点
彩羽 感情を表に出せるようになった。元々、口下手で考えをあまり言えないタイプだったけど、プロレスは感情を見せてこそ。リングに立つことで性格や考えが伝えられるようになった。
――ケガでの長期欠場もあった
彩羽 鎖骨に9本、ヒザに3本のボルトを入れていたこともあった。韓国の空港では金属探知機に引っかかりました(笑い)。欠場中は後輩たちの存在が支えで「私たちが頑張ります」と言ってくれた。その言葉で病んでいる時間がもったいないと思えました。
――Netflixドラマ「極悪女王」での指導経験を持つ
彩羽 演技用の動きだけだと思っていたら「プロレスを一から教えてほしい」と言われて驚きました。受け身や基礎練習から2年間指導した。本気で「ウチの団体に欲しい」と思う人もいました。特に長与さん役の唐田えりかちゃんには、長与さんから受け継いだ技のフォームを細かく教えたし、大森ゆかりさん役の隅田杏花ちゃんは、1年後にはチャンピオンになれるんじゃないかというぐらいのセンスでした。
――逆に女優さんたちから学んだこと
彩羽 表情のつくり方や感情表現はさすがでした。顔や必死さでも魅せられる。自分も「ここまで感情を出していいんだ」と勉強になりました。
――マーベラスのエースとしての意識
彩羽「彩羽匠の試合」ではなく「マーベラスの試合」が面白いと言われたい。団体のパッケージを評価してもらい、新日本やスターダムのような地位に近づきたい。
――女子プロレス界の発展に必要なことは
彩羽 SNSの活用は大事だけど、それだけに頼ると本質を忘れるので。リングやマイクでのやりとり、ファンが次を想像できるようなプロレスの魅力も残していきたい。
――戦ってみたい選手
彩羽 ライバルはいっぱいいる。この間、56分シングルをやった林下詩美もそうだし、IWGP女子王者のSareee、あと岩谷麻優、朱里。そして東京女子の山下実優選手とは、同じ福岡出身で蹴りのスタイルも似ているので、自分が脂が乗ってる時期に必ずやってみたい。
――引退やキャリアの終え方について
彩羽 満足はない世界なので年齢で区切るつもりはないけど、できるだけ長くはやりたい。だけど、動けなくなったらスパッとやめます。
――自分をひと言で表すと
彩羽 〝変〟ですかね(笑い)。試合中にスイッチが入ると記憶がなくなってしまう。真顔で表情を変えずヒザを変な角度で入れて相手をフルボッコしてる。映像を見返して「やばいことしてるな」と驚くこともあって、もし自分が対戦相手だったら嫌だなって。
――9・6福岡大会への意気込みを
彩羽 まずは無事にリングに上がること。最高のコンディションで福岡を熱くします。















