新日本プロレス真夏の祭典「G1クライマックス」は17日の有明アリーナ大会で優勝決定戦が行われ、KONOSUKE TAKESHITA(竹下幸之介=30)がEVILを撃破して初優勝を飾った。今年から新日本、DDT、米国・AEWの3団体所属選手となり、世界の大舞台で活躍する「ジ・アルファ」の魅力とは――。メンター(助言者)でもある、米国・WWEの中邑真輔(45)が秘話を明かした。

「ハウス・オブ・トーチャー」のセコンド介入、厳しいヒザ攻めに大苦戦を強いられた竹下だったが、EVIL(変型大外刈り)を切り返すと、ラストライドで逆転。最後は強烈なエルボーからレイジングファイヤーで頂点をつかみ取り「お前らの夢を俺に乗っけろ。まだ見たことのない景色見せてやるよ」と豪語した。

 2012年8月に現役高校生レスラーとしてDDTでデビュー。今年1月からは新日本、DDT、AEWとの3団体所属選手という史上初の存在となった。文字通り唯一無二のキャリアを歩む竹下が、拠点とする米国で「メンター」と仰ぐ存在が、元新日本プロレスで世界最大団体WWEで活躍する中邑だ。

 取材に応じた日本人レスラーの「トップ・オブ・トップ」は「実力は十分にあるし、フィジカルも人が持っていないものを持っている。その中でもちゃんと背伸びをしてるってところは、まだまだ伸びしろがあるなと思いますね」と竹下を高く評価。

 実は現在の必殺技レイジングファイヤーも、中邑の助言によって開発されたものだという。「僕って結構、人の技は簡単に思いつくんです。こんな感じでいけるかな、竹下だったらほぼほぼ(全て)の選手にかけれるだろうなと。合ってるだろうし、見栄え的にもパッと思いついた感じで。だいたいウチに来るとダラダラ飲んでるんで、その時に話してるくらいですね」と明かした。

 特に認めているのが、竹下のアグレッシブな姿勢だ。「人生に出てくる新しいトピックに飛び付いて、自分のものにしていく姿勢、どこにでもアンテナを張ってる感はすごく感じるので。さすがに3団体所属で忙しいって悲鳴上げてますけど、後からやりたくてもできなくなるかもしれないし、それを求められる立場なんだから喜んだ方がいいよねって。まだまだ若くて元気いっぱいだから、オーバーヒートするくらいまでやった方がいいかなと」とエール。

「あとカラオケとか行くと、僕が懐メロと思うような歌を歌うんですよ。やしきたかじんとか。そこら辺を知ってるってちょっとね…変なヤツです。まあ、僕もスナックでオッサンが歌ってるのを聞いて覚えた歌しか歌わないから。ものすごく全方位的にアンテナ張ってるというのは感じますね」と笑いながら竹下の魅力を明かした。

 新日本はオカダ・カズチカや内藤哲也といったかつてのスター選手が去り、棚橋弘至も来年1月に引退する。中邑は「そういう意味ではめっちゃ今チャンスじゃないかなと思うんです。竹ちゃんは実績的には抜きんでてるわけじゃないですか。竹下を中心に…になるのか、ある意味で毛色の違うものに対して化学反応を起こせるのか、価値の上げ方をどう持っていくのかは若い選手たちの腕の見せどころなのかなと」。竹下のG1制覇が古巣の起爆剤となることに期待を寄せた。

 メンターの声に呼応するかのように、竹下もさらなる高みを目指していく。「2025年のG1クライマックス王者として、IWGP世界ヘビー級王者として1・4(東京ドーム)のメインに立つ。それが次の自分のやるべき、進むべき道かなと思ってるので。近いうちにG1覇者としてザック・セイバーJr.に挑戦したいと思います」。

 かつて「ザ・フューチャー」と呼ばれた男は、文字通りプロレス界の「現在」となっている。