無事是名馬――。阪神・石井大智投手(28)が17日の巨人戦(東京ドーム)の8回に4番手として登板。1イニングを1安打1奪三振無失点に封じ、NPB新となる40試合連続無失点記録を達成した。チームも3―1で勝利し、優勝マジックを「22」に減らすとともに今季最大の13ゲーム差まで広げた。
僅差でリードの試合最終盤のマウンドこそが、自身の職場であり戦場。二死一塁で対峙した岸田を右飛に仕留めて自軍ベンチへ引き揚げるまで、表情を一切緩めようとしなかった。左翼席の虎党からは右腕の偉業達成を祝福する大喝采も送られたが「ごめんなさい。投球中も含めて全然聞こえていないんです」。集中力は常に極限の域まで研ぎ澄まされている。
スコアボードに刻み続けた40個の「0」も「あくまで『たまたま』でしかない」とした石井だが「その『たまたま』を引き寄せるための、いろいろな準備はしてきた。プライドを持って野球をやってきたつもりです」と最後に少しだけ矜持をにじませた。
ストイックな練習姿勢と探求心旺盛な知性で、今や多くのチームメート&スタッフからのリスペクトを集める。主力投手の一人は「何よりもチームにとってありがたいのは、勝ちパターン継投の一角として3年間フル回転してくれていること」と石井を称賛する。肉体的な疲労の蓄積に加え、精神的な消耗も激しい中継ぎ業で、3年以上の複数シーズンを継続して活躍できる選手は球界にもごく一部だ。
一軍に定着した2023年シーズンは44試合に登板して防御率1・35。翌24年は56試合で同1・48と優秀なスタッツを維持。ここまで既に43試合に登板している今季の防御率は「0・21」。驚異を通り越し、もはや異質とも呼ぶべき数字を残している。
周囲からは、さらなる記録更新への期待も高まるが、右腕は「自分というよりかは、チームを応援してくれればいい」とフォア・ザ・チームの姿勢を改めて強調。虎の優駿は馬車馬としての誇りを胸に腕を振り続ける。













