広島は3日の中日戦(マツダ)に2―1で競り勝ち、実に9カードぶりのカード勝ち越しを決めた。7月に大失速しただけに新井貴浩監督(48)も8月の反攻を誓うが、指揮官就任3年目で〝変化〟も見えてきている。まるで2年前まで巨人の監督を務めた原辰徳氏(67)のようだというが――。
本当に久しぶりの勝ち越しだ。約2年ぶりに先発した遠藤淳志投手(26)が6回2安打1失点と好投すれば、4番・末包昇大外野手(28)が決勝の8号ソロ。投打の中心が機能し、試合後の新井監督も「7月に苦しんだ分、この8月をいい月にしたいとみんな思っている」と力強く巻き返しを誓った。
7月は4勝16敗3分けと大失速。首位を走る阪神に優勝マジックを点灯させた一方、リーグ5位まで後退してCS圏内の3位までも3ゲーム差となっている。オールスター戦以降は来季以降の戦いも見据えつつ、緩やかに若手中心の起用にシフトチェンジしている。
そんな新井監督は抜てきした選手が思うような力を発揮できなくても「投手は打たれるのも勉強、野手なら(相手に)抑えられるのも勉強」などと、外部に向けては〝ソフト〟なコメントを発信することがほとんどだ。
しかし、現役時代から指揮官を知るチーム関係者は「このコメントが出た選手、言われた選手は本当に次は考えないといけない」と警鐘を鳴らす。それは「本人に聞いて」という〝ダメ出し構文〟だ。このフレーズが飛び出すのは、試合後に報道陣から選手個々の評価を求められた時で、新井監督が詳細を語ることをやんわりと拒否する場合に用いられる。
しかも、若手やベテランなどキャリアに対する聖域はない。最近では2試合連続で打ち込まれ、二軍再調整となった先発要員の玉村昇悟投手(24)や、前日2日の同戦で4回9安打5失点でKOされたエース・森下暢仁投手(27)にも発せられた。
前出関係者は「監督の『本人に聞いて』は、選手への伝わり方にも気を配ったものだと思う。でも、基本的に試合で同じ失敗を繰り返した選手に使われることが多い。監督としても『その事実はフォローできないよ』と。その解釈で間違いない」と解説する。
「本人に聞いて」とは、2023年まで巨人を率いた原氏も使ってきたフレーズだ。もはや「論ずるに値しない」ケース、または不用意に口を開けば単なる愚痴のオンパレードになってしまい、チームに悪影響を与えることを避ける目的で使われてきた。
しかも、新井監督と原氏には共通点も少なくない。現在は選手を褒めて長所を伸ばすスタンスだが、現役時代は猛練習でのし上がってきた叩き上げ。原氏が理想の選手像としてよく口にした「うまい選手より、強い選手」には鯉将も強く共感し、故障に負けない選手を育成しようと心血を注いでいる。
時流に合わせて選手に配慮もする一方、甘えを見せれば理想から遠のくばかり。前出関係者は今後についても「そういった『論ずるに値しない』ケースがあれば発射されるのでは?」と占った。
シーズンは残り47試合。〝原辰徳化〟しつつある新井監督は将来のカープを背負う若鯉たちに厳しい目を光らせ続ける。












