2025年6月3日に亡くなった長嶋茂雄氏を偲び、同氏の第2次巨人監督時代を振り返った連載「ハダカの長嶋巨人」。常に話題の中心にいた「ミスター」を取り巻く人たちを含めた群像劇を、当時の東スポ巨人担当記者がつづります。
【ハダカの長嶋巨人#41・ホセ・パラの巻】
春季キャンプの時期になると思い出すのが1年間だけ長嶋巨人に在籍した助っ人投手、ホセ。あれは1999年春、宮崎キャンプでの出来事だった。
ホセはメジャーでも白星を挙げたことがある右投手だったが、当時まだ26歳と若く、巨人としては「育成」目的で獲得した助っ人。そのホセから「実は…」とキャンプ中に打ち明けられたのが「巨大ネズミ」の目撃談だった。
ホセは韓国球界でもプレー経験があり、宮崎は韓国の三星ライオンズ時代にキャンプで滞在したことがあるという。「その時に泊まったホテルで、ウサギぐらいの大きさの巨大なネズミを見たことがあるんだ。怖くて怖くて、それ以来、夜は眠れなかったよ…」。そのホテルが当時巨人二軍の宿舎と同じだった。
宮崎に巨大ネズミが…。新種のUMAの可能性もあるだけに、東スポ的には追いかけないわけにはいかない。すぐさま地元住民などへの聞き込み捜査を開始したのだが、なかなか目撃証言を得ることはできずに、ホテルのフロントマンにいたっては「ウチは動物も飼っていませんし、ましてやネズミの出るようなホテルじゃありません!」と当然のように激怒されてしまった。
少ない手がかりの中で浮上した可能性としては「ネズミじゃないけど…。タヌキならホテルに迷い込んできたことがあります」というホテル従業員の証言。確かに夜の暗がりの中でタヌキとばったり遭遇したとしても十分にインパクトはあるだろうし、巨大なネズミかと見間違ってしまうかもしれない。だが…。それで納得してしまっては夢がない。
ホセが見た「巨大ネズミ」は、ほかの誰かに目撃されているのだろうか。毎年春のキャンプの時期になると、巨大ネズミにおびえていたホセの青ざめた顔を思い出す。













