昨セ王者の巨人が苦戦中だ。交流戦は3勝7敗1分けで単独最下位(16日時点)。5月上旬に左ヒジを負傷した主砲・岡本和真内野手(28)は長期離脱したままで、トレードで緊急補強したリチャード内野手(25)もサインの見落としで、一軍登録を抹消された。阿部巨人に打開策はあるのか。本紙専属評論家・伊原春樹氏が鋭く切り込んだ。

【新鬼の手帳・伊原春樹】やはり岡本の穴は簡単には埋まらないね。それに尽きる。投手陣は辛抱強く結果を残している一方で、チーム打率は12球団中9位と打線に元気がない。打線を毎日いろいろと組み替えていることからも、阿部監督の苦労は計り知れない。ただ、やはり「これだ」と決めたら腹をくくって、10試合くらいは同じオーダーで戦うべきだと思う。コロコロと変えてしまっては、選手たちも落ち着かないだろう。

 中でも4番はキャベッジで固定するべきではないか。岡本がいない今のチームでは、長打力のある選手が彼しかいない。やはり4番は本塁打を打てる選手が望ましい。

 オリックス戦(13日=京セラ)ではキャベッジを2番で起用していたが、その意図は分かりかねる。好調の1番・泉口が塁に出ても、犠打を期待しづらいキャベッジが2番では送ることもできない。そういう積み重ねが走者を二、三塁まで進めても得点できない状況につながっていると思う。

 長打力を期待されて獲得したリチャードについても、個人的にはいろいろと疑問が残る。私もソフトバンク時代の彼をずっと見てきたが、二軍では本塁打を量産できても、一軍では簡単に2ストライクまで追い込まれた後に内角の速球に差し込まれたり、外の変化球にバットが空を切るのが常。移籍してから2本打ったのはさすがだが、結局それ以外はいつも見ていたリチャードだった。

 12日のソフトバンク戦で無死一塁から初球のエンドランのサインを見落としたことが抹消理由だそうだが、それが本当だとすれば、そもそも彼にそんなことをさせることが間違い。これまでそんな野球をやってこなかった選手だし、そんなに器用な子でないことは首脳陣も分かっていたはずだ。

 もっと言ってしまえば、見切るタイミングが想像以上に遅かった。自分たちの要望で獲得に動いた背景もあって辛抱強く面倒を見たい思いもあったのだろうが、最終的に打率0割9分5厘。これでは一軍に残しておけない。ファームで頑張っている他の選手に示しがつかない。どんな理由であれ、監督はもっとシビアに判断してやらないといけない。

 今いる戦力でどうにかやりくりしないといけないので、本当に大変だとは思う。ここが踏ん張り時であることは間違いない。何とか粘り切ってほしい。(本紙専属評論家)