4時間18分の熱戦も実らなかった。阪神は22日の巨人戦(甲子園)に延長11回の末、2―3で敗れた。2回に先制を許しながら、その裏に大山の2号逆転2ランが飛び出して一旦はリード。だが7回に2番手の及川がヘルナンデスに同点弾を浴び、そのまま延長戦に突入すると11回に6番手・ネルソンが二死二塁から門脇に勝ち越しの適時三塁打を許し、勝負を決められた。
試合のポイントはいくつかあった。その中でも両軍ともに無死満塁の大チャンスを逃した場面が目立った点には、当然ながら触れなければならないところだろう。
巨人は1点を追う3回に四死球と内野安打で得た無死満塁の絶好機をキャベッジ、甲斐、中山の3連続空振り三振でフイにした。これは悔いの残る攻撃となったに違いない。
阪神は同点の8回、3番手の石川に対して先頭の代打・ヘルナンデスが左前打、近本の四球で無死一、二塁。ここで中野が犠打を試みると、打球を処理した石川が三塁転送するも間に合わず、投犠打野選となって無死満塁のビッグチャンスが訪れた。
ここで打順は3番・森下、4番・佐藤輝、5番・大山と続くクリーンアップだ。虎党の誰もがこの絶好機で得点し、巨人との3連戦に勝ち越すイメージを持ったはずだ。
ところが結果は違った。4番手で登板した田中瑛の徹底した内角シュート攻めに遭い、森下は5―2―3で最悪の併殺。二死二、三塁となって次の佐藤輝は申告敬遠され、二死満塁となったものの続く大山は空振り三振で傾きかけていた試合の流れを手放した。森下が打席中に左ヒザに自打球を受け、途中交代したことも追い打ちとなった。
無死満塁――。絶好機に見えるが、実は得点が入りにくい〝野球あるある〟でもある。実は阪神前監督の岡田彰布オーナー付顧問(67)も、次のように話していたことがある。
「ノーアウト満塁は最初のバッターよ。そこで変なことしたら後ろにプレッシャーかかるしな。6―4―3のゲッツーでええんよ。1点入って、ツーアウト三塁が残るやんか」
状況を顧みずやみくもに安打を狙って凡退することを避け、取れる時に1点を積み重ねていく。まさに前指揮官が常々口にしていた「普通にやったらええんよ」の世界だ。それができなければ、おのずと勝利の女神がそっぽを向く。藤川阪神にとって痛すぎる1敗だった。












