ひょっとしたら泥沼の始まりなのか。首位浮上を目前にしていたDeNAが足踏みしている。5日の広島戦(マツダ)は大乱戦となり、延長11回の末に7―8でサヨナラ負け。歓喜に沸く鯉党とカープの選手たちを尻目に、ベイスターズの面々は肩を落としながら三塁側のベンチ裏へ下がり、敵地で声を枯らしたベイファンも意気消沈せざるを得なかった。

 とにかく内容が悪い。開幕戦のマウンドに立った東克樹投手(29)が先発2戦目で初黒星。牧秀悟内野手(26)、森敬斗内野手(23)ら主力の失策も失点にからみ、昨年夏にBクラスに低迷していた頃の嫌な雰囲気が漂い始めている。

 この日の東は、初回にタイラー・オースティン外野手(33)の適時打で2点の援護をもらいながら、2回に牧のエラーがからみ、末包、菊池の連続適時打で同点を許す。4回に今度は森敬の失策がからんで、末包に逆転2ランを被弾。さらに8回には宮崎敏郎内野手(36)の適時失策で2点を追加された。

 9回に一挙5得点を奪って一時逆転したところまでは良かったが、その裏に〝急造守護神〟入江大生投手(26)が死球がらみで一死二、三塁とされると、矢野の二ゴロの間に再び同点とされてしまう。最後は延長11回に〝元守護神〟山崎康晃投手(32)が先頭の代打・田村に初球を捉えられ、プロ1号となるサヨナラ本塁打を浴びて一巻の終わりだ。

 前日4日のナイターに続く今季初の連敗。初のカード負け越しも決まり、とにかくこの日も後味の悪い負け方となってしまった。

 前日4日の同カード初戦も登録抹消中のトレバー・バウアー投手(34)に代わって先発した石田裕太郎投手(26)ら投手陣が総崩れで、12被安打8四死球5失点で惨敗。同日のナイター敗戦直後、三浦大輔監督(51)は失点した投手たちに直接声をかけていたという。ちなみに指揮官はその内容について、こう明かしている。

「話はしました。プロだから打たれたり、ストライクにならなかったりもする。なぜそうなったのか、(原因は)技術か、メンタルか、その両方なのか。そこから目をそらさず、前向きに次の日を迎えて、やられたらやり返す。シーズンは始まったばかりで、100試合以上残ってるんだから」

 本来ならば一夜明け、この日の5日に先発したエース東には、チームの悪い雰囲気を拭い去る好投と勝利が求められていたはず。

 元エースの三浦監督はここまで東をエースとして立て、頼りにもしてきた。東の背番号11にちなんで、自主トレ中の1月11日午前11時11分に開幕投手を伝達。それをキャンプ中の2月、同日同時刻に発表するという念の入れようだった。

 指揮官の期待を背負って、東もまたかねてからこう強調している。

「苦しい時こそチームに勝ちをもってこれる投球をして、僕が投手陣全体を引っ張っていきたい」

 しかし、5日の投球がそれほどの内容だったとは言い難い。味方のミスにも足を引っ張られた面はあるにしても、だ。

 それでも三浦監督は東の〝粘投〟をたたえた。

「東はミスが出ながらも我慢してね、粘り強く投げていた。集中力を切らさずにね。負けを消してあげられたのはよかった」

 今こそ東はエースとしての覚悟、そして三浦監督には日本一監督としての手腕が問われている。今季最初の正念場だろう。