【昭和~平成スター列伝】“蹴撃戦士”ことKENTAが2月13日に古巣ノアに約11年ぶりに再入団を果たした。KENTAは2000年5月、全日本プロレスでデビュー。ノアを14年に退団後、渡米してWWEと契約し活躍。19年から新日本を主戦場としていたが、今年1月に離脱していた。

丸藤の不知火に合わせ中嶋にパワーボムを決めるKENTA
丸藤の不知火に合わせ中嶋にパワーボムを決めるKENTA

 再入団の経緯について「WWEに挑戦した経緯もあるなかで、どこか気持ちのなかでプロレスリングノアのもとでプロレスをしたいという気持ちは常にあったんですが、自分から出ていったこともあり、自分の口から公の場で表現することはできなかった」とノアへの思いを抱えていたことを明かした。

 ノアを退団してWWEに参戦する際は大きな話題を呼んだが、忘れられないのが14年5月17日後楽園の「壮行試合」だ。丸藤正道との名コンビ“マルケンコンビ”を復活させて杉浦貴、中嶋勝彦組と対戦した。

「まさかの電撃的退団発表から3週間。後楽園には別れを惜しむように超満員2000人の観衆が訪れた。悲鳴のような歓声を背に、KENTAがリング上を飛び回る。かつて“マルケンコンビ”としてノアジュニアの看板を背負い、2003年には東京スポーツ新聞社制定プロレス大賞最優秀タッグ賞を獲得した名コンビが、約3年半ぶりの復活だ。中盤までは杉浦のエルボー、中嶋の強烈なミドルキックでフラフラになったが目だけは死んでいない。15分過ぎから敵軍の顔面にミドルキックを放ち続けてペースを奪い返した。そして25分過ぎ、しばらくは敵味方に分かれていた両雄だが『あうんの呼吸』は忘れてはいなかった。アイコンタクトを取ったKENTAが中嶋を抱え上げると、丸藤がトップロープへダッシュ。雪崩式不知火だ。この一撃を受けたKENTAはヒザ蹴りから必殺のゴー2弾を決めて、壮行試合を白星で飾った」(抜粋)

 あれほど場内が一体となって別れを惜しむ雰囲気に満ちた大会は、ちょっと記憶にない。この時点でWWE入団は発表されていなかったが、後に「ファンのみんなにありがとうと言われたけど、こっちこそ『ありがとう』と言いたい。親戚でもないのに14年間、声援を送ってくれた。恩返しできるように頑張りたい」と感極まって語った。

 あれから11年。丸藤の20周年記念大会(18年9月1日、両国国技館)では当時WWEに所属していたヒデオ・イタミとして奇跡の再会マッチを行い「自分が求められていることが分かった」と語っていた。さらに7年の時を経て、KENTAは古巣へと戻った。ファンも長く復帰を待ち望んでいたのも事実。“蹴撃戦士”のノアでの「新章」に誰もが期待を寄せている。 (敬称略)