【アリゾナ州グレンデール12日(日本時間13日)発】鮮烈なドジャースデビューだ。ロッテから新加入した佐々木朗希投手(23)が、新天地で初のブルペン入りした。35球を投じ、初めて投球を受けた捕手が、“伝家の宝刀”スプリットに「Oh my gosh(何てこった)」と漏らしたほど。メジャー初登板は3月19日に東京ドームで行われる開幕第2戦が濃厚となり、衝撃とともに令和の怪物の新章が幕を開けた――。
怪物右腕が世界一チームの視線を独り占めにした。投手と捕手のバッテリー組は、当初の予定よりも1日遅れでこの日からキャンプイン。真新しい背番号11のユニホームをまとい、さっそくブルペンに向かった佐々木にはロバーツ監督ら首脳陣のほか、ドジャース一筋でMLB通算212勝左腕を誇るカーショーらも熱い視線を送った。
身長192センチから右腕をしならせると、本格的な投球練習を目の当たりにした指揮官も納得顔。オフに移籍先選びなどで多忙を極めた佐々木も入念に準備してきたようだ。キャンプとしては初日だったものの、直球だけでなく変化球も織り交ぜた。
ロッテ時代の直球の最速は165キロ。国内ではNPB日本選手最高球速がクローズアップされがちだが、MLB側から見た佐々木の最大の魅力はスプリットだ。100マイル(約161キロ)以上を投げる投手は珍しくなく並み居る強打者を惑わせる変化量十分の“落ち球”こそが真骨頂とされている。その宝刀を抜いた瞬間、捕手を務めたバーンズが思わず声を上げた。
「Oh my gosh」
バーンズは2015年にドジャースでメジャーデビューし、今季で11年目を迎える。多くの名投手の球をミットに収めてきたベテランですらも「スプリットは独特。あんな球を見たことがない。捕るのが難しい時もある。かなり変化する。おそらく回転数が低いんじゃないかな。普通のスプリットとは違う方向に変化する。(直球との)2種類だけでも十分勝負できると思う」と衝撃を覚える“化け物”だった。
25歳未満の佐々木はルール上、マイナー契約での入団となった。キャンプも「招待選手」としての参加となっているが、マイナー選手として扱う者は一人もいない。メジャー契約に切り替わることは確実で、ロバーツ監督はこの日、佐々木のデビュー戦の舞台を指し示した。3月18、19日に東京ドームで開催されるカブスとの開幕シリーズ第2戦だ。
指揮官は開幕投手を山本に託すことを明言した上で、佐々木の登板について「順調にいけば2試合目だろう」と明かした。メジャー1年目から開幕2戦目に抜てきされれば、昨季の山本らと並んで日本選手史上最速の快挙だ。
もちろん、佐々木にとってはまだまだ序の口。初日とあって「僕の中ですごく緊張しています。思ったより寒かったのと、ウオーミングアップも少し不十分だった。ブルペンもそうでしたけど、体が温まるまでちょっと時間がかかった」という。それでも投球練習時には、隣のレーンでサイ・ヤング賞に2度輝いたスネルら大物が投げていても臆する様子はなかった。
今後は「ドジャース・佐々木朗希」を日本のファンにお披露目する3月19日が一つの照準となる。「なかなかメジャーの開幕を日本で迎える機会はないと思うので、すごく特別なことだと思いますし、まずはそこに向けていい準備ができたら」と静かに決意を口にした怪物右腕。徐々にギアを上げ、悲願のメジャー初勝利をつかみ取る。









