巨人の阿部慎之助監督(45)が監督デビューとなった29日の阪神との開幕戦(東京ドーム)に4―0で快勝。初采配でさっそく初白星を手にした。勝利を呼んだ一因がチーム内の競争激化。4年ぶりのV奪回へ青年監督はナインに徹底した競争意識を植え付けている。

 昨季6勝18敗1分けと大敗した王者・阪神をいきなりの零封。指揮官がインタビューで発した「最高ですね」の言葉に、満員となった球場内に詰めかけたG党がドッと沸いた。

 先発した戸郷が6回無失点と試合をつくると、「3番・右翼」で起用した梶谷が躍動。3回一死一、二塁で抜ければ2点が入れられる打球をダイビングキャッチで阻み、5回の攻撃では1号2ランと攻守で活躍した。最後は復活した守護神・大勢が締める最高の船出となった。

 試合前には長嶋茂雄終身名誉監督(88)がサプライズで本拠地を訪れ、新監督を「勝つ、勝つ、勝~つ!」と激励。指揮官も「この勝ちが、ミスターの元気につながれば」と力を込めた。

 開幕3日前には新助っ人のオドーアが電撃退団したものの、その影響は感じられず。長嶋氏の言葉通り、チームは勝利へ一丸となっているが、指揮官はナインにさらなる競争を促している。

 例えば先発投手について。阿部監督は二軍で先発調整した投手を一軍ではロングリリーフから起用することを明言している。「(基準を)明確にしてあげたほうが競争できる」と理由を説明していたが、実はさらに踏み込んだ思惑もある。

「言っちゃ悪いけど(同僚投手に)『打たれろ、コイツ!』みたいに(思ってほしい)。そうしないと本当の競争って生まれてこない。(ライバルが)打たれたから『よし! チャンスあるぞ!』みたいな」

 あくまでも個人の意識の問題ではあるが、プロである以上、自分が活躍してナンボ。指揮官は仲良し軍団よりも勝利に飢えたギラつきを求める。もちろん野手に求めたい考え方も同じだ。

 この日の大活躍で定位置をグッと引き寄せた梶谷を、阿部監督は「もともとポテンシャルはすごいものを持っている選手。こっちがうまくやりくりしてあげたら」とたたえたが、チーム内の競争は今後も続く。