新伝説の始まりだ。エンゼルスからFAとなっていた大谷翔平投手(29)の移籍先が9日(日本時間10日)にドジャースに決定した。その契約内容は全世界のプロスポーツ界最高となる10年総額7億ドル(約1015億円)。年俸7000万ドル(約101億円)の超大型契約で、ついに名実ともに「地球ナンバーワン」の男となった。ただ、ドジャース球団の補強は〝序章〟とみる向きもあり、オリックスからMLB挑戦を目指す山本由伸投手(25)、クレイトン・カーショー投手(35)と夢の合体を果たす可能性もささやかれている。

 世界が注目した大谷の新天地は名門のドジャースに決まった。この日、自身のインスタグラムで発表し「現役最後の日まで、ドジャースだけでなく球界のためにも前を向いて頑張っていきたいと思います」などと決意を明かした。

 途方もない巨額契約だが、大谷ならではの特殊な内容となっているという。米スポーツ専門局「ESPN」のジェフ・パッサン記者が自身の「X」(旧ツイッター)で報じたもの。「ショウヘイ・オオタニの契約には、彼の年俸の大半を含む大幅な繰り延べがあるが、関係者によると、このアイデアはオオタニのものだった」としている。10年契約が満了する2034年以降に始まる支払いが多くを占めるという。約101億円はメジャー最高年俸。チームへの負担は大きく他の補強にも影響を及ぼしかねず、大谷なりの〝配慮〟も見え隠れする。

 超高額年俸の支払いが繰り延べされることで、ドジャースはより多くの資金を来季のチーム編成に投下することが可能となる。そこでまず浮上する「夢プラン」がポスティングシステムでメジャー移籍を目指す山本との〝共闘〟だ。ドジャースの懸案は深刻な先発不足。大谷は9月中旬に右ヒジを手術しており、来季は打者に専念し、投手としてカウントできない。

 ニューヨーク・ポスト紙のジョン・ヘイマン氏は「ドジャースはまだ山本由伸に興味を持っているし、その余裕もある」と自身のXに投稿。山本はメッツやヤンキースも有力候補とみられるが、前例のない年俸の後ろ倒しにより、ドジャースで大谷&山本の同時在籍も浮上してくるという。

 また、因縁も取りざたされたレジェンドとの〝トリプル競演〟の可能性も捨てきれない。ドジャースは大谷の花巻東高(岩手)の1年時から担当スカウトを派遣。大谷がMLB移籍を決めた17年になっても熱意が衰えることはなかった。ロサンゼルスで行われた面談では球団生え抜きの大エース、カーショーを自宅のあるテキサス州ダラスから呼び寄せて口説きにかかった。だが、この時も思いは届かず、カーショーが大谷について語ることもなくなった。当時の状況をよく知るア・リーグの球団スカウトはこう振り返る。

「実を言えば、カーショーがオオタニと面談したのは彼の結婚記念日だった。球団からの命を受け、大事なお祝い事を返上してまで駆けつけたにもかかわらず結果は破談。その後のカーショーは怒り心頭で親しい米メディア関係者に『面談は限りなく時間の無駄だった。そもそもヤツ(大谷)は(当時ア・リーグのみだった)DHでプレーすることを望んでいたから、最初からウチは撤退しておけば良かったんだ』と語ったことが一部で報じられるなど、そこで生じた確執は永遠に沈静化することはないと思われていた」

 ただ、別のメジャー関係者によれば「もうカーショーの中にも当時のわだかまりはないようだ。周囲には『もう遠い昔のことだ』『あれほどのスーパースターになったショウヘイ・オオタニというプレーヤーを一番近いポジションから見てみたい気もする』などとも語っているらしい。(11月に)FAとなり、フィリーズやレンジャーズへの移籍もささやかれているが、まだドジャース残留の目もある」という。

 左肩の手術を受けたカーショーの復帰は来夏以降とみられるが、日米のスーパースターがそろい踏みとなれば、ロサンゼルスがますます沸騰することは間違いない。

 スポーツ界の天井を突き抜け、全人類の頂点に立った大谷の今後が楽しみだ。